- 投稿日
- 最終更新日
脊柱管狭窄症で歩くと脚が痛い・しびれる|病名だけで原因を一つに決めない理由
執筆: Dr.Kaz 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
米国滞在8年
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座、福岡天神、岡山
「脊柱管狭窄症と言われました。歩くと脚が痛くて、しびれて、まともに歩けません」
こういう相談では、私は最初から「カイロで何とかできます」とは言いません。
脊柱管狭窄症には、加齢による骨や関節の変化、椎間板、靱帯、すべりなど複数の構造的要因が関係することがあります。状態によっては医療機関での管理や手術が必要になるケースもあります。
だから重要なのは、「脊柱管狭窄症」という名前だけではなく、何によって狭くなっているのか、どこまで構造変化が進んでいるのかを確認することです。
ここが分からなければ、カイロプラクティックで確認できる領域なのかどうかも判断できません。
同じ脊柱管狭窄症でも身体の状態は同じではない
「脊柱管狭窄症」と診断された二人がいたとしても、身体の状態が全く同じとは限りません。
骨の変形が強い人。
椎間板や関節の変性が目立つ人。
腰椎のすべりを伴っている人。
複数の要素が重なっている人。
そのため私は、病名を聞いた瞬間に施術方法を決めません。
まず医療機関でどのような説明を受けたのか、画像で何を指摘されているのかを確認します。
特に高齢の方で骨の変形が強い場合には慎重です。
骨の形そのものが大きく変化している場合、こちらが考える「関節をこの方向へ動かしたい」という判断が、その方にとって安全で適切とは限らなくなるからです。
「正しい位置へ動かせばいい」と単純には考えない
カイロプラクティックでは関節運動を確認します。
しかし、骨の変形が大きい人に対して、
「ズレているから正しい位置へ戻せばいい」
という単純な話にはできません。
たとえば骨棘などの骨性変化が存在する場合、関節の位置関係が変化することで、周囲の組織との関係も変わる可能性があります。
そのため、構造変化の大きい症例では私はかなり慎重になります。
サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)というカイロプラクティック独自の視点は持ちますが、すべての症状をサブラクセーションだけで説明するわけではありません。
画像で確認されている構造的変化は、構造的変化としてきちんと考慮します。
歩くと症状が出るという情報も重要
脊柱管狭窄症では、歩行によって脚の痛みやしびれが強くなり、休むと楽になるといった症状がみられることがあります。
LIVEでも、高齢の方で「歩くと症状が出る」という相談について話しました。
私がここで見るのは、単に「腰が痛い」ではありません。
立っている時。
歩いている時。
座っている時。
横になっている時。
それぞれで症状がどう変わるかを確認します。
何をしていても強い痛みが続いているのか。
歩行時だけ悪化するのか。
姿勢によって変化するのか。
こうしたHistory(ヒストリー/問診)は、身体を確認するうえで非常に重要です。
医療機関で確認すべきことと、カイロで見ることは違う
脊柱管狭窄症のように神経症状を伴う状態では、まず医療機関で構造的な問題や神経学的な状態を確認することが重要です。
特に、
急速に進む筋力低下
排尿・排便の異常
強い神経症状
転倒が増えている
安静にしていても激しい痛みが続く
といった場合には、カイロプラクティックより先に医療機関での評価が必要です。
その上で、医療的な緊急性がなく、構造変化だけでは現在の動作の問題をすべて説明できない場合に、私は関節運動や身体全体の連動を確認します。
ここは役割分担です。
画像検査で分かる構造情報と、実際に身体を動かして確認する機能情報は同じではありません。
高齢だから何もできない、とも決めつけない
一方で、年齢だけを理由に「もう何もできない」とも私は考えません。
高齢の方では強いAdjustmentが適さない場合があります。
そういう時に私が選択肢として使うことがあるのが、MMC(Micro Motion Care/マイクロモーションケア)です。
MMCでは、関節を大きく高速に動かすのではなく、動き始めの非常に小さなJoint playや初動を確認しながら、低強度・低速度で方向を選んで入力します。
ただし、MMCなら脊柱管狭窄症そのものを改善できるという意味ではありません。
骨性変化や狭窄そのものを元に戻す技術ではありません。
あくまで、強い刺激を使いにくい人でも、残っている関節運動や身体の反応を確認するための一つの選択肢として私は使用しています。
「何が原因か分からない」状態で無理に施術しない
今回のLIVEでは、脊柱管狭窄症について複数の相談がありました。
私は何度も、
「何が原因で狭窄しているのか分からないので、今の情報だけでは何とかなるとは言えない」
と答えています。
これは逃げではありません。
むしろ身体を扱うなら、ここは重要だと思っています。
できるものと、できないものを分ける。
カイロプラクティックの範囲なのか。
MMCで確認できる範囲なのか。
医療機関で先に対応すべきなのか。
実際に身体や画像情報を確認しなければ分からないケースもあります。
私は、病名だけを見て「これはいけます」と言うことの方が危険だと思っています。
脊柱管狭窄症と言われた方ほど、まず必要なのは「病名」ではなく、今の症状を作っている要素を一つずつ整理することです。
このテーマをLIVEで話した部分
高齢者の腰痛と骨の変形について 14:19~
https://www.youtube.com/watch?v=ert_0n4KNLw&t=859s
歩行で症状が出る場合について 16:06~
https://www.youtube.com/watch?v=ert_0n4KNLw&t=966s
高齢者にMMCを選択する場合について 17:30~
https://www.youtube.com/watch?v=ert_0n4KNLw&t=1050s
脊柱管狭窄症は原因まで確認する必要があるという話 33:28~
https://www.youtube.com/watch?v=ert_0n4KNLw&t=2008s
この記事の一次情報
本記事はDr.KazのLIVEで私が話した内容をもとに構成しています。
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=ert_0n4KNLw
ご相談・ご予約
脊柱管狭窄症と診断されている場合は、まず医療機関で現在の構造的な状態と神経症状をご確認ください。その上で、身体の関節運動や連動も確認したいという方はご相談いただけます。
施術案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
銀座料金案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/ginza-fee/
福岡天神料金案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/fukuoka-fee/
東京銀座店オンライン予約
https://sites.google.com/view/drkaz-tokyo-reservation?usp=sharing
福岡天神店オンライン予約
https://sites.google.com/view/drkaz-fukuoka-reservation?usp=sharing
岡山は定期出張対応です。日程については無料相談からお問い合わせください。
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/consultation/
