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寝返りで腰が痛い|痛い場所だけが原因とは限らない理由
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
寝返りをした瞬間に腰が痛いと、「腰が悪い」と考えるのは自然です。
しかし、私が身体を見るときは、痛みが出ている場所だけを原因とは考えません。
寝返りは腰だけで行う動作ではなく、骨盤、股関節、背中などが連動して起こる動作です。さらに関節だけでなく、筋肉や筋膜周辺を含む軟部組織も関係します。
そのため大切なのは、「どこが痛いか」だけではなく、寝返りという動作のどこで身体の連動が崩れているのかを確認することです。
2026年9月25日のLIVEでは、この「痛い場所=原因とは限らない」という考え方について詳しく話しました。
寝返りで腰が痛くても、原因が腰とは限らない
結論から言えば、腰そのものが原因になっている場合もあります。しかし、それだけとは限りません。
腰痛というと、多くの方は腰椎をイメージします。
ところが身体は腰椎だけで動いているわけではありません。
例えば寝返りをするときには、
- 腰椎
- 骨盤
- 仙腸関節周辺
- 股関節
- 胸椎
- 筋肉
- 筋膜周辺を含む軟部組織
などが関係しながら身体の向きを変えます。
そのどこかが本来の動きに参加できなくなると、別の場所がその動きを補わなければならないことがあります。
その結果として、腰に負担が集中して痛みとして感じられている可能性もあります。
LIVEでも私は、
「寝返りをしたら腰が痛い。じゃあ腰が悪いのか」
というところから話を始めています。
私が重要だと思っているのは、その先です。
腰が痛いという情報だけで、原因まで腰だと決めないことです。
「痛い場所」と「原因になっている場所」は同じとは限らない
これは腰痛だけの話ではありません。
首が痛い、肩が痛い、膝が痛い。
人はどうしても、痛みを感じた場所に原因があると考えます。
もちろん一致しているケースもあります。
しかし身体は複数の関節が連動して動いています。
例えば腰の動きが悪く見えていても、骨盤や股関節が十分に参加できていなければ、腰が必要以上に動かなければならないことがあります。
逆に腰そのものの関節運動が低下していることもあります。
だから私は、「腰が痛い」という言葉を聞いただけで施術する場所を決めません。
なぜそこに負担が集まったのか。
ここを見る必要があります。
寝返りという「動作」を見ると情報が増える
痛みを確認するとき、私は動作を非常に重視します。
例えば寝返りであれば、
最初に身体を動かしたときに痛いのか。
身体をひねっている途中で痛いのか。
最後に体重が移動するときに痛いのか。
同じ「寝返りで腰が痛い」という症状でも、この違いによって考えることは変わります。
LIVEでも私は、関節について「動きの始まり」「途中」「終盤」という流れで見るという話をしました。
これは単純に可動域が大きいか小さいかだけを見るのとは違います。
本来参加するべき関節が、必要なタイミングで動いているのか。
ここを見ることが重要です。
骨格だけを見ても足りないことがある
私はDoctor of Chiropracticとして、骨格と関節運動を重要視しています。
カイロプラクティックでは、サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)を臨床的に検討します。
ただし、身体が動くときに働いているのは骨格だけではありません。
筋肉もあります。
筋膜周辺を含む軟部組織もあります。
そのため私は、骨格側に問題があるのか、軟部組織側にも確認すべきものがあるのかを分けて考えます。
私の施術でカイロプラクティックとメディセルを組み合わせることがあるのも、そのためです。
カイロプラクティックでは、関節運動、骨格の連動、左右差、代償動作などを確認します。
メディセルでは、皮膚を吸引しながら動かす専用機器を使用し、皮膚、皮下組織、筋膜周辺を含む軟部組織の動きやすさ、滑走性、左右差などを確認します。
どちらか一つにすべての原因を当てはめるのではなく、その人の身体で何が起きているのかを確認します。
画像で異常が見つかっても、それだけで原因とは決められない
腰痛では、MRIやレントゲンなどで異常を指摘された経験がある方も多いと思います。
ここでも考え方は同じです。
画像所見が存在することと、現在感じている痛みの原因であることは、必ずしも同じではありません。
例えば腰椎分離症は、画像で見つかっても症状のないケースが少なくないことが報告されています。
これは、「画像検査に意味がない」という話ではありません。
骨折、腫瘍、重度の神経障害などを疑う場合、医療機関での診断や画像検査は非常に重要です。
一方で、画像上の名前だけで現在の痛みをすべて説明できるとは限りません。
私は画像所見がある場合も、実際の症状、動作、関節運動などと合わせて考えます。
Dr.Kazは寝返りの腰痛で何を確認するのか
私が最初に行うのは、いきなり腰をアジャストメントすることではありません。
まずHistory(ヒストリー/問診)を取ります。
いつから痛いのか。
何をしたときに始まったのか。
寝返りのどの段階で痛むのか。
日中はどうなのか。
座っているとき、立っているとき、歩いているときはどうなのか。
そうした情報を集めます。
その後、動作、可動域、左右差などを確認します。
さらにStatic palpation(静的パルペーション)とMotion palpation(モーション・パルペーション)によって、関節が本来参加すべき方向へ動いているかを確認します。
必要であればサブラクセーションを臨床的に検討し、Adjustment(アジャストメント)を行います。
アジャストメントは、音を鳴らすことが目的ではありません。
確認した関節の動きや身体全体のバランスに対して、方向と力を調整しながら行います。
そして重要なのがReassessment(再評価)です。
施術前に確認した寝返りや可動域がどう変化したのかを、もう一度確認します。
「腰だけを何とかする」を繰り返して変わらない方へ
腰が痛いから腰を揉む。
腰を伸ばす。
湿布を貼る。
それで改善するケースもあります。
しかし、それを繰り返しても同じ痛みが戻ってくるのであれば、腰以外を含めて身体を見る意味があります。
私が見たいのは、「痛い場所」だけではありません。
なぜそこに負担が集まらなければならなかったのか。
寝返りという日常的な動作の中にも、そのヒントが隠れていることがあります。
このテーマをLIVEで話した部分
寝返りで腰が痛いとき、腰だけが原因とは限らないという話
00:03:48~
骨格・筋肉・筋膜など複数の要素から考えるという話
00:08:07~
LIVE後半で「寝返りで腰が痛い=腰だけではない」というテーマへ戻った部分
00:59:57~
元動画
参考資料
Spondylolysis and spondylolisthesis: A review of the literature
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5990218/
Spondylolysis: A review and reappraisal
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2843565/
※腰椎分離症は画像上確認されても無症状のケースがあり、画像所見と現在の腰痛を自動的に同一視できないことを確認する補助資料として参照しています。
施術・相談について
「寝返りをすると腰が痛い」「腰を何度もケアしているのに繰り返す」という方は、痛い場所だけでなく、骨盤、股関節、背中を含めた身体の動きを一度確認する意味があります。
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