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腰椎分離症があれば腰痛の原因?画像の名前だけで決めない理由
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
「腰椎分離症と言われました。だから今の腰痛も分離症が原因ですよね?」
私は、ここを自動的には結び付けません。
腰椎分離症は腰痛と関連することがあります。しかし、画像で分離症が見つかったことと、現在の腰痛の原因がその分離部であることは同じではありません。
2026年8月31日のLIVEでも、私は「腰椎分離症という名前に引っ張られすぎないでほしい」と話しました。
ただし、LIVE中に私は「分離症から痛みが出るのは2〜3割程度」という趣旨の数字を使いました。
公開記事ではここを訂正しておきます。
現在確認できる研究から、個人の腰痛について「分離症が原因である確率は一律20〜30%」と決めることはできません。
分離症は無症状でも見つかりますが、腰痛がある人で多く認められるという研究もあります。
だからこそ、画像だけでも、確率だけでも決めず、現在の身体を確認する必要があります。
腰椎分離症とは何なのか
腰椎分離症は、多くの場合、腰椎後方のpars interarticularis(椎弓峡部)に生じた骨性の欠損です。
成長期のスポーツなどで繰り返し負荷が加わり、疲労骨折として生じるケースが代表的です。
一般人口での有病率はおおむね数%程度と報告され、成人では偶然画像検査で見つかる人もいます。レビューでも「通常は無症状で、画像検査時に偶然発見される場合がある」とされています。
つまり、
「分離症がある」
と、
「分離症が痛い」
の間には、もう一段階確認が必要です。
画像に名前が付くと、人はそこを原因だと思いやすい
これは腰椎分離症だけの話ではありません。
ヘルニア。
椎間板変性。
すべり症。
ストレートネック。
こうした名前が画像検査で付くと、どうしても「原因が見つかった」と感じます。
その気持ちはよく分かります。
痛いのに原因が分からなかった人にとって、画像に何か写れば説明がついたように感じるからです。
でも私は、臨床では一度切り離して考えます。
その画像所見は存在する。しかし、それが今のChief complaint(主訴)を本当に説明できるのか。
ここを確認します。
Dr.Kazは何を確認するのか
最初に行うのはHistory(ヒストリー/問診)です。
いつから痛いのか。
成長期にスポーツをしていたのか。
最近急に痛くなったのか。
立つ、反る、歩く、座るなど、どの動作で変化するのか。
過去にどのようなケアを受けたのか。
分離症がいつ発見されたのか。
こうした情報をつなぎます。
その上でRange of motion、ROM(関節可動域)や症状が出る動作、左右差を確認します。
さらにMotion palpation(モーション・パルペーション/関節を動かしながら行う触診)によって、腰椎だけではなく骨盤や股関節を含め、どの関節がどの方向へ動きにくいかを確認します。
私が考えるサブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)とは、単純に「骨が横へずれた」という意味ではありません。
本来参加すべき関節が十分に動けず、他の場所が代わりに動いている可能性まで含めて考えます。
「分離した骨をカイロで元に戻す」という話ではありません
ここは非常に重要です。
慢性化して骨性の欠損として残った腰椎分離症そのものを、アジャストメントで骨癒合させるという意味ではありません。
LIVEでも私は「分離そのものを私が治せるわけではない」と話しています。
私がカイロプラクティックで確認するのは、
その分離症とは別に、
現在どの関節が動きにくいのか。
骨盤や股関節がどう連動しているのか。
どこでCompensation pattern(代償動作)が起きているのか。
という部分です。
だから「分離症を治すカイロ」ではありません。
分離症という画像所見だけでは説明できない現在の身体を確認するカイロプラクティックです。
分離症と腰痛には関連もあります
「無症状の人がいるなら、分離症は痛みと無関係なのか」
それも違います。
2015年のシステマティックレビュー・メタ解析では、50歳以下の腰痛患者では、無症状者と比べてspondylolysisが多く認められました。
つまり分離症と腰痛との関連は存在します。
だから私は、
「分離症だから全部そこが原因」
とも、
「分離症は絶対に痛くない」
とも言いません。
関連があることと、その人の痛みの発生源を個別に確定することは別だからです。
カイロ×メディセルではどう考えるのか
腰痛では関節側だけではなく、軟部組織側の動きも関係する場合があります。
カイロプラクティックでは、
腰椎。
骨盤。
仙腸関節周辺。
股関節。
それぞれの動きや代償を確認します。
メディセルでは、皮膚、皮下組織、筋膜周辺を含む軟部組織の滑走性や左右差を確認します。
必要であれば両方を組み合わせます。
Adjustment(アジャストメント)は音を鳴らすことが目的ではありません。
確認した関節と方向に対して必要な入力を行い、最後に同じ動作をReassessment(再評価)します。
分離症という画像を「消す」ことが目的ではなく、現在の動作がどう変わるかを確認することが目的です。
医療機関を優先すべき腰痛
次のような症状がある場合は、カイロプラクティックより先に医療機関へ相談してください。
強い外傷後の腰痛。
発熱を伴う腰痛。
急激に進行する脚の筋力低下。
排尿・排便障害。
会陰部の感覚異常。
安静にしていても著しく強く、急速に悪化する痛み。
特に成長期のスポーツ選手で腰椎分離症が疑われる場合、早期では骨癒合を目指せるケースもあるため、整形外科での評価が重要です。
FAQ
腰椎分離症は一生治らないのですか?
すでに慢性化して骨性欠損として残っているものと、成長期に早期発見された疲労骨折では話が違います。特に若年者の早期病変では骨癒合を目指す管理が行われます。画像と年齢、病期を含めて医療機関で判断する必要があります。
分離症があるのに痛くない人も本当にいますか?
います。腰椎分離症は無症状で偶然見つかることがあります。一方、腰痛群で分離症が多いことも報告されているため、「無関係」とも断定できません。
分離症と言われたら運動してはいけませんか?
一律には言えません。急性期の疲労骨折なのか、古い分離なのか、症状があるのかで判断が変わります。痛みを我慢して自己判断で強い運動を続けるより、まず状態を確認してください。
この記事の結論
腰椎分離症が画像に写っていても、
現在の腰痛が100%そこから来ているとは限りません。
しかし、無関係とも決められません。
だから私は、
画像を見る。
ヒストリーを聞く。
実際に動いてもらう。
関節を一つずつ確認する。
必要なアプローチを選ぶ。
そして再評価する。
この順番を大切にします。
「分離症という名前」に身体全体を合わせるのではなく、現在の身体から分離症の意味を考える。
それが私の臨床での見方です。
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この記事の一次情報
ライブ開催日
2026年8月31日
動画タイトル
小顔矯正本当に意味ある?
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=7u7LL0uSpok
腰椎分離症と腰痛について
https://www.youtube.com/watch?v=7u7LL0uSpok&t=2936s
文字起こし一次資料
参考資料
Spondylolysis and spondylolisthesis: A review of the literature 資料を確認する
MRI Findings of Disc Degeneration are More Prevalent in Adults with Low Back Pain than in Asymptomatic Controls PubMedで確認する
