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朝起きると腰や首がこわばるのはなぜ?|動くと楽になる人に私が確認すること
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業/Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得/臨床歴25年以上/活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube: https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
こんにちは、Dr.Kazです。「朝起きると腰がこわばる。でも動いているうちに楽になる」「朝だけ首が動かしにくいので、寝違えたのかな?」。こういう経験がある方は多いと思います。
朝のこわばりにはさまざまな原因があります。ここで私が話したいのは、病気を除外したうえで日常的に起こる「動き始めのこわばり」です。私が臨床でまず考えるのは、寝ている間は日中と比べて身体を動かす量が大きく減るということ。そして、もともと動きにくい関節がある人では、その長い不動時間によって朝のこわばりが強く表れている可能性です。
朝だけではなく「長く座った後」も同じことが起きる
朝のこわばりを考える時、私は長時間座った後の腰をイメージしてもらいます。椅子にずっと座っていて、立ち上がった瞬間に「腰が伸びない」「最初の数歩がつらい」。ところが少し歩くと楽になってくる。朝起きた時と似ています。
共通しているのは、長時間あまり身体を動かしていないことです。睡眠中も寝返りはしますが、日中のように歩いたり、しゃがんだり、関節をいろいろな方向へ動かしたりはしません。
ただし、私は「寝て動かなかったから腰が悪くなった」と単純には考えません。ここが重要です。もともと関節の動きに問題がない人と、すでに一部の関節が十分に動いていない人では、同じ数時間動かなかった後でも身体の反応が違う可能性があります。
私が見るのは「もともと動きにくい場所がなかったか」
LIVEでは「元々の要素を持っていることが多い」と話しました。私が臨床で重視するのが、サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)です。
ここでいうサブラクセーションは、骨が大きく横へズレている、あるいは医療上の脱臼という意味ではありません。関節が本来参加すべき方向や範囲の動きへ十分に参加できず、周囲の関節や筋肉がそれを補っている可能性を含めて考えます。
関節がうまく動いていない状態が続けば、周囲の筋肉がGuarding(ガーディング/身体を守るために筋肉が緊張し、動きを制限している状態)を起こすことがあります。つまり「筋肉が硬い」という結果だけを見るのではなく、「なぜその筋肉が硬くなっているのか」を考えるわけです。
そこへ睡眠という長い不動時間が加わる。すると朝起きた時に「いつも以上に動かない」「最初だけ痛い」「しばらくすると楽になる」という形で表れる可能性があります。これは今回のLIVEで私が説明した臨床的な考え方です。
朝に動き始めると楽になるなら、そこにも情報がある
私はHistory(ヒストリー/問診)で、「いつ痛いですか?」だけではなく、「いつ楽になりますか?」も聞きます。
朝はつらいけれど、10分、20分と動いていると楽になる。長時間座った後は痛いけれど、歩き始めると変わる。逆に動けば動くほど悪化する。この違いは、身体を確認するうえで重要な情報です。
「朝だけ痛い」という言葉だけを切り取るのではなく、動いた後どうなるのか、日中はどうなのか、毎朝なのか、最近始まったのか、以前から少しずつ増えているのか。こうした経過をつなげて考えます。
なお、朝の腰については「起床直後は何をしてもたくさん動かした方がいい」と単純に考えるのも違います。慢性腰痛を対象にした研究では、起床後早い時間帯の腰椎屈曲を控えた群で痛みや障害の減少が報告されています。朝の身体は、その人の状態を見ながら動かすことが大切です。
マッサージで筋肉を緩めれば終わりなのか
朝こわばる。触ると筋肉も硬い。そこで「筋肉を揉めばいい」と考える方もいると思います。
筋肉へのアプローチそのものを否定しているわけではありません。しかし、もし筋肉が関節を守るために緊張しているのであれば、筋肉だけを緩めても、その筋肉を緊張させている理由が残っている可能性があります。
だから私は、痛い筋肉だけを追いません。
Historyで経過を聞き、Range of motion(ROM/関節可動域)や左右差を確認し、Motion palpation(モーション・パルペーション/関節を動かしながら行う触診)で、どの関節がどの方向へ動きにくいのかを見ます。
必要であれば方向と力を選んだAdjustment(アジャストメント)を行い、その後に最初と同じ動きをもう一度確認します。「やったから終わり」ではなく、動きがどう変わったかを見るところまでが私のカイロプラクティックです。
朝のこわばりは「まだ大したことがない」時期に出ることもある
LIVEでは、朝起きた時に少しこわばる段階を「入口」として話しました。
もちろん、朝こわばる人が将来必ずぎっくり腰になるという意味ではありません。そこは分けて考える必要があります。
ただ、私が臨床で気にするのは、「前は何ともなかったのに最近毎朝こわばる」「以前より動き出すまで時間がかかる」「長く座った後にも同じ症状が出始めた」という変化です。
身体は突然0から100になるとは限りません。最初は「ちょっと動きにくい」程度だったものが、だんだん頻度や強さを増していくことがあります。
強い痛みが出てから初めて身体を見るのではなく、まだ軽い段階で「なぜ最近こうなったのか」を確認する。私はその方が身体を見るタイミングとしてはいいと思っています。
「朝だけだから大丈夫」で終わらせない方がいい場合もある
一方で、朝のこわばりをすべて骨格の問題として考えてはいけません。長時間続く強い朝のこわばり、発熱、原因不明の体重減少、夜間の強い痛み、進行する神経症状などがある場合には、まず医療機関での評価が必要です。
大切なのは、「朝こわばる=○○」と一つの答えに当てはめないことです。
私が見たいのは、朝だけなのか、動けば楽になるのか、長時間座った後にも出るのか、左右差があるのか、そして実際にどの関節がどの方向へ動きにくくなっているのか。
朝のこわばりは小さな症状に見えます。でも毎日のように続いているなら、身体から出ている一つの情報として見てみる価値はあると思います。
このテーマをLIVEで話した部分
朝の身体のこわばりについて 02:33~
https://www.youtube.com/watch?v=Shj5uKtTFWU&t=153s
関節の動きにくさと筋肉の防御反応について 03:37~
https://www.youtube.com/watch?v=Shj5uKtTFWU&t=217s
寝ている間に動かないことで症状が強くなるという臨床的な考え方 04:40~
https://www.youtube.com/watch?v=Shj5uKtTFWU&t=280s
朝のこわばりを「入口」として見る理由 05:45~
https://www.youtube.com/watch?v=Shj5uKtTFWU&t=345s
参考資料
Snook SH, Webster BS, McGorry RW, et al. The reduction of chronic nonspecific low back pain through the control of early morning lumbar flexion. A randomized controlled trial. Spine. 1998;23(23):2601-2607.
この研究は慢性非特異的腰痛を対象としたもので、朝のこわばりそのものやサブラクセーションを証明した研究ではありません。起床後早い時間帯の腰椎屈曲を控えることによって、痛みや障害などが減少したことが報告されています。
この記事の一次情報
本記事はDr.KazのLIVE「朝のこわばり動くと楽になるのはなぜ?」で話した内容をもとに構成しています。
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=Shj5uKtTFWU
ご相談・ご予約
「朝だけ腰が伸びにくい」「起きてしばらくすると楽になる」「長く座った後も同じように腰がこわばる」。こうした状態が繰り返している場合、硬い筋肉だけではなく、関節がどの方向へ動きにくくなっているのかまで確認してみる意味があります。
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https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
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