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膝が痛い時は階段を使わない方がいい?|「使わない」と「無理に使う」の間で考える
執筆: Dr.Kaz 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
米国滞在8年
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座、福岡天神、岡山
「膝が痛いので、階段はなるべく使わないようにしています」
これは一見、身体を守る正しい行動に見えます。
急に膝を痛めた直後や、明らかな炎症、外傷などがある時に無理をする必要はありません。
ただ私は、
痛いから今後ずっと階段を避ける
という考えにも注意が必要だと思っています。
身体は使わなければ、その動作をする能力も少しずつ落ちていくからです。
大切なのは「無理して使う」か「完全に使わない」かの二択ではありません。
今の身体で安全に使える範囲を確認し、必要であれば身体側の問題を先に整え、それから少しずつ使える状態へ戻していくことです。
階段はかなり高度な運動
普段何気なく使っていますが、階段は平地歩行より身体へ要求するものが多い運動です。
一段上るには、片脚で身体を支えながら自分の体重を上へ持ち上げます。
下りる時には、身体が一気に落ちないよう筋肉でブレーキをかけます。
そのため、
股関節
膝関節
足関節
筋力
バランス
の協調が必要です。
平地なら問題ない人が、階段になると急に痛みや不安定感を感じることがあるのは不思議ではありません。
「使わないから弱る」だけでもない
ここは少し重要です。
私はLIVEで、
「使わないと使えなくなる」
という話をしました。
ただ、もっと正確に言うなら、
「なぜ使わなくなったのか」
も確認しなければなりません。
過去に膝をひねった。
足首を捻挫した。
階段で一度痛い思いをした。
そうすると身体は、その動作を避けるようになることがあります。
筋肉が硬くなる。
関節の動きが小さくなる。
反対側へ体重を逃がす。
歩き方が変わる。
こういった変化が積み重なると、
「運動不足だから硬くなった」
だけではなく、
身体がその場所を使いにくい運動パターンを選び続けている
可能性もあります。
小さなケガを本人が忘れていることもある
大きな骨折や靱帯損傷なら、ほとんどの人が覚えています。
でも、
少し足首をひねった。
膝を一瞬痛めた。
スポーツで軽くぶつけた。
こういう小さな外傷は、その時に数日で痛みが消えると忘れてしまいます。
しかし私は、こうした小さな外傷後に関節の動き方や周囲の筋緊張が変わっていないかを見ることがあります。
ここを私は臨床上、micro trauma(微細な外傷)として考えることがあります。
そして現在開発中のMMCでは、その後に残っている可能性のある非常に小さな「動き始め」の違いにも注目しています。
これは私の臨床モデルであり、すべての関節の硬さが過去の小外傷によるという意味ではありません。
痛い状態で根性論のように階段を使う必要はない
一方で、
「使わないと弱るなら、痛くても階段を使わなければ」
というのも違います。
明らかに腫れている。
体重をかけられない。
転倒や衝突などの外傷後から強く痛む。
膝がロックして動かない。
急に力が抜ける。
こういう場合は、まず医療機関で構造的な問題を確認した方がいいケースがあります。
痛みが強い身体に負荷をかけ続ければいいわけではありません。
私が言いたいのは、
「痛いから永遠に避ける」
でも、
「痛くても鍛えればいい」
でもないということです。
まず、なぜ階段ができないのかを見る
私なら、階段がつらい方を見た時に、
どこで痛いか
上りか下りか
何段くらいで出るか
平地歩行ではどうか
椅子から立つ時はどうか
膝のROMはどうか
股関節や足首は動いているか
左右で動き方が違わないか
を確認します。
サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)が関係している可能性があるなら、どの関節がどの方向へ参加できていないのかをMotion palpation(モーション・パルペーション)で確認します。
筋肉や軟部組織側が強く関係していると考えれば、必要に応じてメディセルも使います。
さらに非常に小さな関節の初動が気になる場合にはMMCを選ぶこともあります。
方法を先に決めるのではありません。
身体を見てから決めます。
施術は「運動しなくてもいい身体」を作るものではない
これは非常に重要です。
私が関節を確認し、AdjustmentやMMCなどを行ったとしても、
「これで一生運動しなくても大丈夫」
という話ではありません。
むしろ逆です。
関節運動が改善し、以前より身体を使いやすくなったのであれば、そこから本人が身体を使っていくことが重要です。
歩く。
階段を少し使う。
必要な筋力を戻す。
可動域を日常の中で使う。
私は歯科によく例えます。
歯科で虫歯などの問題へ対応してもらった後、
「もう歯を磨かなくていい」
とはなりません。
身体も同じです。
施術は、その後に身体を使っていくためのきっかけを作るものだと私は考えています。
0か100かではなく、今できる範囲から
エスカレーターを全部やめて、今日から全部階段にする必要はありません。
逆に、膝が少し気になるからと、今後一切階段を使わない必要もありません。
まず今の身体がどの程度使えるのか確認する。
問題があればその理由を探す。
そして無理のない範囲から、少しずつ動作を戻す。
これが一番現実的です。
身体は使うためにあります。
ただし、
「痛くても使え」
ではありません。
使える身体なのかを先に確認して、使える範囲から戻していく。
私はそこを大切にしています。
このテーマをLIVEで話した部分
階段を使える時には使った方がいいという話 14:44~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=884s
「使わないと使えなくなる」という考え方 15:02~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=902s
小さな外傷と関節の硬さについて 16:28~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=988s
無理に動かすのではなく少しずつ使うという話 18:17~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=1097s
この記事の一次情報
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk
ご相談・ご予約
膝が痛くて階段を避けるようになった、以前より脚を使わなくなった、どこまで動いていいのか分からないという方はご相談ください。
施術案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
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