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MMCカイロプラクティックヘルニア、分離症、すべり症姿勢手首筋膜筋膜の癒着筋膜リリース股関節膝の痛み足首 
投稿日
2026.11.02
最終更新日
2026.10.30

階段の上り下りで膝が痛い|「上りならここ、下りならここ」だけでは説明できない理由

執筆: Dr.Kaz 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
米国滞在8年
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座、福岡天神、岡山

「平地ではそれほど痛くないのに、階段になると膝が痛い」

この相談は珍しくありません。

しかも人によって、

上る時に痛い。
下りる時に痛い。
上りも下りも痛い。

と違いがあります。

私が学生だった約25年前は、階段の上りと下りを、前十字靱帯や後十字靱帯にかかる力の違いから比較的シンプルに説明することがありました。

もちろん靱帯にかかる力は現在でも重要です。

ただ、25年以上臨床を続けてきた今、私は階段で起こる膝痛を「一つの靱帯だけ」で説明することはしません。

膝はそれほど単純な関節ではないからです。

目次

  • 階段では平地より膝の仕事が増える
  • 「上りで痛い=この靱帯」と決めない
  • 膝そのもの以外も見る
  • 筋肉が硬いからストレッチ、だけでも足りないことがある
  • MMCではさらに「動き始め」を見る
  • 階段で膝が痛い時に大切なのは「どの組織か」を最初から決めないこと
    • このテーマをLIVEで話した部分
    • 参考資料
    • この記事の一次情報
    • ご相談・ご予約

階段では平地より膝の仕事が増える

階段を上る時、私たちは身体を上へ持ち上げなければなりません。

下りる時には、逆に身体が一気に落ちないよう、脚でブレーキをかけながら身体を下ろします。

特に下りでは、大腿四頭筋などが力を出しながら伸ばされるeccentric contraction(伸張性収縮)が重要になります。

これは「筋肉を使っていない」のではありません。

むしろ身体が落下しないよう、かなり仕事をしています。

研究でも、階段昇降は平地歩行より膝への力学的要求が大きく、とくに階段下降では膝関節への負荷や筋肉による制御が大きくなることが報告されています。

だから、

「平地は歩けるけれど階段だけ痛い」

ということは十分に起こり得ます。

「上りで痛い=この靱帯」と決めない

膝には前十字靱帯、後十字靱帯、側副靱帯、半月板、関節軟骨、腱、筋肉など多くの組織があります。

それぞれが別々に働いているわけではありません。

階段を一段上るだけでも、

股関節
膝関節
足関節
大腿部の筋肉
下腿の筋肉

が連動しています。

そのため私は、

「上りで痛いから前十字靱帯」

「下りで痛いから後十字靱帯」

というような一対一の判断はしません。

痛みが膝の前なのか。

内側なのか。

外側なのか。

後ろなのか。

何段目くらいから出るのか。

階段だけなのか。

椅子から立つ時にも出るのか。

歩行やスクワットではどうなのか。

こうした情報を組み合わせます。

膝そのもの以外も見る

もう一つ重要なのが、膝だけを見ないことです。

階段では股関節、膝、足首が一つの運動連鎖として働きます。

たとえば足首が十分に動かない場合、その不足分を膝や股関節で補うことがあります。

股関節が本来の方向へ十分に動かなければ、膝に別の方向の力が加わることもあります。

ここで私が確認する一つが、サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)です。

これは骨が大きく横へ外れているという意味ではありません。

本来その動作に参加するべき関節が、必要な方向や範囲へ十分に参加できず、別の場所が代償している可能性を見ます。

Motion palpation(モーション・パルペーション)で関節の方向を確認し、階段動作や膝の曲げ伸ばし、左右差なども組み合わせます。

筋肉が硬いからストレッチ、だけでも足りないことがある

階段で膝が痛い人の太ももを触ると、筋肉が硬くなっていることがあります。

しかし、

硬い筋肉=原因

とは限りません。

痛みや関節の不安定さ、動きにくさがある時に、身体がその場所を守るため筋肉を緊張させている場合があります。

つまり筋肉の硬さは「原因」ではなく「結果」の可能性もあります。

この場合、硬いからと強く揉んだり伸ばしたりする前に、

なぜそこが硬くなっているのか

を確認した方がいい。

私はそう考えています。

必要であれば、皮膚・皮下組織・筋膜周辺など軟部組織側の滑走性や左右差をメディセルで確認することもあります。

MMCではさらに「動き始め」を見る

最近、私が膝を見る時に加えているのがMMC(Micro Motion Care/マイクロモーションケア)です。

大きく膝を曲げたり伸ばしたりする前の、非常に小さなJoint playや初動を確認します。

例えるならファスナーです。

ファスナーが途中で少し引っかかった時、普通はいきなり全力で引っ張りません。

少し戻したり、角度を変えたりしながら、引っかかっているポイントを探します。

MMCで私が見ているのも、そのイメージに近いものです。

これは私が現在発展させている臨床モデルで、すべての膝痛を説明する確立された医学理論という意味ではありません。

ただ、大きな可動域では問題なく見えても「動き始め」に左右差があるケースを、私は臨床で経験しています。

階段で膝が痛い時に大切なのは「どの組織か」を最初から決めないこと

階段で膝が痛い。

それだけでは原因は決まりません。

靱帯かもしれない。

腱や筋肉かもしれない。

軟骨や半月板など関節内部の構造が関係しているかもしれない。

股関節や足首を含む関節運動や代償が関係している可能性もあります。

だから私は、

History(ヒストリー/問診)
動作確認
関節運動
左右差
必要に応じた軟部組織の確認

を組み合わせます。

そして何か施術を行ったら、同じ動きをもう一度確認する。

Reassessment(再評価)です。

「膝が痛いから膝を揉む」ではなく、

なぜ階段という動作で痛いのか。

そこから考えるのが私の膝の見方です。

このテーマをLIVEで話した部分

階段の上り下りで膝が痛いというテーマ 2:23~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=143s

膝の靱帯と階段動作について 6:03~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=363s

膝痛は一つの組織だけでは説明できないという話 9:46~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=586s

筋肉・腱・靱帯・軟骨・関節など複数を見る話 13:15~
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk&t=795s

参考資料

Increasing Trunk Mass Evokes Lower Extremity Biomechanical Plasticity during Stair Descent
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10464758/

この記事の一次情報

元動画
https://www.youtube.com/watch?v=4dZjxeoPNRk

ご相談・ご予約

階段の上り下りで膝が痛い、ストレッチやマッサージを続けても繰り返す、膝だけではなく股関節や足首まで含めて確認したいという方はご相談ください。

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執筆者情報

ドクターオブカイロプラティック 長澤 一輝 (ながさわ かずてる) Kazteru Nagasawa

1992年に渡米し、1999年にアメリカ・クリーブランドカイロプラクティックカレッジにて、D.C.(Doctor of Chiropractic)の学位を取得しました。
同学位の取得には、基礎医学分野を含む教育課程と臨床実習の修了が求められています。

これまで25年以上にわたり、身体の状態を多角的に観察することを大切にしてきました。関節の動きの質や筋膜の緊張、触診から得られる情報など、手で確認できる要素を丁寧に捉えながら対応しています。
2000年からはカイロプラクティック専門学校で主任講師として、解剖学・運動生理学の教育にも携わってきました。施術と教育の両面に関わってきた経験を活かし、身体の状態や施術の意図をわかりやすくお伝えすることを心がけています。
当院では、一人ひとりの状態を丁寧に確認しながら、安心して受けていただけるよう配慮しつつケアを進めてまいります。

経歴

1992年
渡米
1993年
アメリカ シアトルセントラルコミュニティーカレッジ 入学
1995年
アメリカ クリーブランドカイロプラクティックカレッジ 入学
1999年
アメリカ クリーブランドカイロプラクティックカレッジ 卒業
米国政府公認ドクターオブカイロプラクティック(D.C.)の学位を取得
2000年
カイロプラクティック専門学校の主任講師及び同校併設施術院院長を務める
2005年
『カイロプラクティックながさわ』を福岡市西区にてオープン
2009年
学校法人若永学園こころ医療福祉専門学校で非常勤講師を勤める
2010年
カイロプラクティック専門学校の主任講師及び同校併設施術院院長を務める
2013年
カイロプラクティックながさわ東京青山店を東京都港区青山にて開院
2014年
一般社団法人医療人材開発機構 理事就任
2018年
東京ドクターカイロ中目黒に移転
2024年
東京ドクターカイロ銀座Alivioクリニック内に移転

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