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立つ時に腰が痛い|痛い場所と原因が同じとは限らない理由
執筆: Dr.Kaz 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業/Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得/米国滞在8年/臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
「座っている時はそれほどでもないのに、立ち上がる瞬間に腰が痛い」
こういう腰痛では、多くの人が当然「腰が悪い」と考えます。痛い場所が腰なのですから、それ自体は自然です。
ただ、私が身体を見る時は、痛い場所と、痛みを生み出す動きの問題が必ず同じ場所にあるとは考えません。
腰椎そのものが関係しているケースもあります。しかし骨盤、仙腸関節、胸椎下部、股関節、筋肉、軟部組織など、別の場所の動きが腰への負担を増やしているケースもあります。
だから「腰が痛いから腰だけを見る」とはしません。
立つ動作は腰だけで行っているわけではない
椅子から立つ時、身体では複数の関節が連動します。
股関節が動き、骨盤が動き、腰椎と胸椎が身体を支え、下肢が床を押して身体を持ち上げます。
この中のどこか一つが十分に動かなければ、別の場所が代わりに動かなければなりません。
これがCompensation pattern(代償動作のパターン)です。
例えば骨盤周辺の動きが悪い状態で立とうとすれば、その不足分を腰椎が余計に動いて補うことがあります。逆に腰椎の一部が動きに参加しにくければ、骨盤や股関節が余計に働くこともあります。
結果として腰に痛みが出ていても、確認すべき場所が腰だけとは限らないわけです。
私が腰痛で仙腸関節も確認する理由
腰椎のすぐ下には骨盤があります。
仙骨と腸骨の間には仙腸関節があり、ここも私は腰痛を見る時に重要な場所の一つとして確認します。
ただし「腰痛なら仙腸関節が原因」と最初から決めるわけではありません。
History(ヒストリー/問診)で、いつ痛むのか、立つ時なのか、歩く時なのか、朝なのか、長時間座った後なのかを聞く。
次に実際の動きを確認します。
そしてMotion palpation(モーション・パルペーション/関節を動かしながら行う触診)によって、腰椎、骨盤周辺、必要なら胸椎や股関節まで見ながら、どの関節が本来の動きに十分参加できていないのかを考えます。
ここで私がカイロプラクティックで重視しているのが、サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)です。
ここでいうサブラクセーションは、骨が大きく外れている脱臼という意味ではありません。ある関節が本来参加するはずの方向や範囲の運動へ十分に参加できず、周囲がそれを補っている可能性を見ます。
骨格だけでも説明できない
今回のLIVEでは、腰痛を大きく考える時に、
骨格
筋肉
筋膜周辺を含む軟部組織
関節の小さな初動
といった複数の要素を分けて考える話をしました。
筋肉が明らかに硬い場合もあります。
一方で、皮膚や皮下組織、筋膜周辺など軟部組織側の動きにくさが関係している可能性もあります。
その場合、私はカイロプラクティックだけに限定しません。
メディセルでは皮膚を吸引しながら機器を動かし、皮膚・皮下組織・筋膜周辺を含む軟部組織の動きやすさ、左右差、過敏性を確認します。
つまり、
関節・骨格側ならカイロプラクティック。
軟部組織側ならメディセル。
必要なら両方を見る。
これが私の基本です。
大きく動かす前の「初動」も確認する
さらに現在、私はMMC(Micro Motion Care/マイクロモーションケア)という方法も使っています。
関節には大きく動き出す前に、ごく小さな遊びがあります。
LIVEではスーパーのカートを例にしました。
カートを引き出そうとして動かない時、力が足りないとは限りません。車輪が横を向いていれば、引き出す前から動きにくい状態ができています。
だったら、強く引っ張る前に車輪の方向を見る。
関節も同じ発想で、可動域の最後だけではなく、動き始めの非常に小さな運動がどうなっているかを見るのがMMCです。
MMC独自の理論は、現時点では私が臨床経験をもとに構築している臨床モデルです。一般医学として確立された機序として扱っているわけではありません。
「立つと痛い」という情報そのものがヒントになる
私は「腰が痛い」という場所だけでなく、何をすると痛いのかをかなり重要視します。
立つと痛い。
走ると痛い。
座っていると痛い。
朝だけ痛い。
それぞれ身体にかかる力も、使われる関節も違います。
だから問診は単なる会話ではありません。
「立つ時」という情報を、実際の動き、ROM(関節可動域)、関節の動き、左右差とつなげていく。
そして必要な場所へアプローチした後、もう一度同じ立つ動作をReassessment(再評価)します。
腰を触ったから終わりではありません。
最初に痛かった動作がどう変わったかまで確認して、初めてそのアプローチが現在の身体に合っていたのかを判断する。
これが私の腰痛の見方です。
このテーマをLIVEで話した部分
立つ時の腰痛と「痛い場所=原因とは限らない」という話 1:28~
https://www.youtube.com/watch?v=udDYsGGXZ7U&t=88s
腰椎・骨盤・仙腸関節について 2:36~
https://www.youtube.com/watch?v=udDYsGGXZ7U&t=156s
骨格・筋膜周辺・筋肉を分けて考える話 7:29~
https://www.youtube.com/watch?v=udDYsGGXZ7U&t=449s
MMCで関節の初動を見る考え方 11:01~
https://www.youtube.com/watch?v=udDYsGGXZ7U&t=661s
この記事の一次情報
本記事はDr.KazのLIVE「立つと腰痛!腰だけが原因?」で私が話した内容をもとに構成しています。
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=udDYsGGXZ7U&t=11s
ご相談・ご予約
「立ち上がる時だけ腰が痛い」「腰を揉んでもまた戻る」「腰以外も含めて身体全体を見てほしい」という方は、腰だけではなく骨盤、股関節、胸椎、軟部組織、身体全体の連動まで分けて確認してみる意味があります。
施術案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
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