- 投稿日
- 最終更新日
肋骨が痛いとき、最初に何を見る?|深呼吸だけで原因を決めない
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
こんにちは、Dr.Kazです。
「肋骨のあたりが痛い。これは肋骨そのものが悪いのでしょうか?」
私が最初に考えるのは、痛い場所の名前ではなく「何をすると痛むのか」です。
転倒や打撲があったのか。深く息を吸うと痛むのか。身体をひねると痛むのか。じっとしていても痛むのか。皮膚に変化がないか。肋骨周辺の痛みは、骨、関節、筋肉、神経、皮膚、さらに胸部の別の問題まで考える必要があります。
2026年8月17日のLIVEでも、私は「肋骨が痛い」と聞いた段階で肋骨だけに原因を決めない、というところから話を始めました。
まず「何かしたか、していないか」を聞く
肋骨周辺の痛みでは、History(ヒストリー/問診)がかなり重要です。
転んだ。
胸をぶつけた。
スポーツ中に接触した。
強く咳き込んだ。
こうした明確なきっかけがある場合、肋骨の打撲や骨折など外傷性の問題を先に考える必要があります。
実際、肋骨の骨折や打撲では、胸部の圧痛に加えて、息を吸った時や咳をした時に痛みが強くなることがあります。
ここで大事なのは、カイロプラクティックで何でも確認しようとしないことです。
強い外傷があった。息苦しい。胸の痛みが強くなっている。血を吐く、あるいは咳とともに血が出る。
こうした場合は、カイロプラクティックより先に医療機関です。
深呼吸は「肋骨を確認する一つの手掛かり」
LIVEでは、肋骨周辺の痛みを確認する方法として深呼吸の話をしました。
ここは公開記事として少し正確に整理しておきます。
肋骨は通常の呼吸でも動いています。深く息を吸えば胸郭の動きが大きくなるため、肋骨やその周辺の組織に問題がある場合、痛みが再現されやすくなることがあります。
つまり、
「深呼吸すると痛い」
という情報は重要です。
しかし、
「深呼吸で痛い=肋骨骨折」
でも、
「深呼吸で痛くない=肋骨に問題なし」
でもありません。
一つの動作だけで決めるのではなく、何が痛みを再現するのかを組み合わせて見ます。
元LIVE・肋骨と深呼吸について
https://www.youtube.com/watch?v=grKGNno4EQw&t=256s
肋骨は胸椎と関節を作っている
肋骨だけを一本の独立した骨として見ると、身体の動きが分からなくなります。
肋骨の後方は胸椎と関節を作っています。
そのため私は、肋骨周辺が痛い人を見る時に、肋骨だけではなく胸椎側のMotion palpation(モーション・パルペーション/関節を動かしながら行う触診)も確認します。
身体をひねった時。
身体を反らした時。
深く呼吸した時。
腕を上げた時。
こうした動作の中で、肋骨と胸椎がどう連動しているかを見るわけです。
私がカイロプラクティックで重視しているサブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)も、単純に「骨が横へずれた」という意味ではありません。
本来動くべき関節が十分に動けず、その分を周囲の関節や筋肉が補っている可能性まで含めて確認します。
Dr.Kazは肋骨の痛みをどう確認するか
私は、痛い場所だけを押して「ここが悪いですね」と決めません。
まずヒストリーから、外傷の有無、痛みが始まった時期、呼吸・咳・身体の回旋・寝返りなどとの関係を整理します。
次にRange of motion、ROM(関節可動域)や身体の回旋、胸椎と肋骨の動きを確認します。
Static palpation(静的パルペーション/静止した状態で行う触診)では、局所の過敏性や筋肉・軟部組織の左右差などを確認します。
そしてMotion palpationで、胸椎や肋骨周辺の関節運動を見ます。
そこでサブラクセーションが関係していると考えれば、必要な方向と力を選んでAdjustment(アジャストメント)を行います。
重要なのはその後です。
同じ呼吸。
同じ身体のひねり。
同じ腕の動き。
これをReassessment(再評価)します。
「鳴ったから終わり」ではありません。
肋骨が痛いのに、骨そのものが原因ではないこともある
肋骨周辺には筋肉、皮膚、皮下組織、神経などがあります。
そのため「肋骨が痛い」という本人の感覚と、「肋骨そのものに問題がある」ということは同じではありません。
特に、外傷がないのに肋骨に沿ってズキズキする、焼けるように痛む、ピリピリする、といった場合には神経性の痛みも考える必要があります。
肋間神経痛では、胸や背中、肋骨に沿う帯状の痛みや、しびれ・ピリピリ感などが起こることがあります。原因も一つではありません。
だから「肋骨が痛い=肋骨を何とかすればいい」という発想では足りないのです。
カイロとメディセルをどう使い分けるか
私が最も重視しているのは、関節側と軟部組織側を分けて確認することです。
カイロプラクティックでは、胸椎・肋骨周辺の関節運動、左右差、身体全体の代償動作を確認します。
一方、皮膚や皮下組織、筋膜周辺を含む軟部組織の動きにくさや過敏性が関係していると考えれば、メディセルを組み合わせることがあります。
メディセルは皮膚を吸引しながら動かす機器です。
ただし、骨折が疑われる場所を機械でどうにかする、という話ではありません。
また、強い炎症、感染症など医療機関で確認すべき状態をメディセルで扱うものでもありません。
何を対象にしているのかを分けることが重要です。
こんな肋骨の痛みは先に医療機関へ
強い外傷の後から痛む場合、息苦しさが増している場合、胸痛が悪化する場合、血痰がある場合などは、カイロプラクティックの予約より医療機関を優先してください。
また、肋骨周辺の皮膚に片側性の発疹や水疱が現れた場合は帯状疱疹も考える必要があります。帯状疱疹では発疹より数日前から痛みやピリピリ感が先行することもあります。
FAQ
深呼吸して肋骨が痛ければ骨折ですか?
それだけでは判断できません。骨折や打撲でも吸気時痛は起こりますが、筋肉や胸壁など他の組織でも呼吸に伴って痛むことがあります。外傷歴や圧痛など他の情報と合わせて判断する必要があります。
深呼吸して痛くなければ肋骨は問題ありませんか?
そうとも限りません。深呼吸は一つの確認方法です。身体をひねる、腕を上げる、押す、咳をするなど、どの条件で症状が変化するかを合わせて確認します。
肋骨が痛い時に自分で強く押してもいいですか?
私は勧めません。特に外傷直後や強い痛みがある場合、自分で強く押したりひねったりして原因を確認しようとしない方が安全です。
カイロプラクティックでは何を見るのですか?
外傷など医療機関で先に確認すべき状態を除いたうえで、胸椎と肋骨の関節運動、左右差、身体をひねった時の連動、周囲の筋肉や軟部組織などを確認します。
この記事の結論
「肋骨が痛い」という言葉だけでは原因は決まりません。
私が最初に見るのは、
何か外傷があったのか。
どの動作で痛いのか。
呼吸と関係するのか。
神経や皮膚の症状がないか。
胸椎と肋骨がどう動いているのか。
という情報です。
痛い場所と原因が同じとは限りません。
そこを分けて考えることから始める。
それが私の臨床です。
Dr.Kazへの相談・予約
施術案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
銀座・虎ノ門エリア料金案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/ginza-fee/
福岡天神料金案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/fukuoka-fee/
銀座・虎ノ門エリアの初回予約はこちら
https://airrsv.net/dr-chiro-tokyonakameguro/calendar
福岡天神の初回予約はこちら
https://airrsv.net/dr-chiro-fukuokahakata/calendar
無料相談
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/consultation/
著者プロフィール
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/staff/
この記事の一次情報
ライブ開催日
2026年8月17日
動画タイトル
肋骨が痛い 何が問題?
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=grKGNno4EQw
肋骨の痛みと外傷・深呼吸について
https://www.youtube.com/watch?v=grKGNno4EQw&t=256s
胸椎と肋骨・肋間神経について
https://www.youtube.com/watch?v=grKGNno4EQw&t=450s
帯状疱疹との区別について
https://www.youtube.com/watch?v=grKGNno4EQw&t=579s
参考資料
Broken or bruised ribs
NHS
https://www.nhs.uk/conditions/broken-or-bruised-ribs/
Intercostal Neuralgia
NCBI Bookshelf / StatPearls
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK560865/
Shingles Symptoms and Complications
Centers for Disease Control and Prevention
https://www.cdc.gov/shingles/signs-symptoms/index.html
