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手術後も痛みが残る時|「手術が失敗」と決める前に確認したいこと
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
こんにちは、Dr.Kazです。
2026年8月8日のLIVEでは、「腰の手術をしたのに今もつらい」「肘の手術後に痛みが残り、完全に伸びない」という相談が続きました。
ここで僕が伝えたかったことがあります。
手術後に痛みが残ったからといって、すぐに「手術が失敗だった」と決める必要はありません。
手術で対象にした構造と、現在残っている痛みや動きにくさの要因が同じとは限らないからです。
反対に、腱や靱帯などが実際に大きく損傷していて手術が必要なケースを、カイロプラクティックだけで何とかしようとするのも違います。
専門家として重要なのは、「自分ができること」と「自分の領域ではないこと」を分けることだと僕は考えています。
腱が切れているなら、カイロで何とかする話ではない
LIVEでは、肩から腕に関係する腱が切れ、整形外科で手術を勧められているという相談がありました。
僕の答えは明確でした。
構造的に腱が切れていて、手術適応を検討されているなら、これはカイロプラクティックで元通りにつなげる話ではありません。
僕なら手術が必要か迷う場合、もう一人の整形外科医へ相談してSecond opinion(セカンドオピニオン)を取ります。
そこで同じように手術を勧められるのであれば、その判断はかなり重く見ます。
カイロプラクティックで何でもできるわけではありません。
ここを曖昧にしてはいけないと思っています。
では、手術後も痛い時は何を見るのか
一方で、手術を受けたのに痛みや動きにくさが残る人もいます。
LIVEでは、約20年前に腰の手術を受け、その後も長期間痛みが続いていた方が来られた話をしました。
その日の施術後、ご本人の痛みの自己評価では大きな変化がありました。
もちろん、一回の変化だけで長期的な結果を保証することはできません。
僕が伝えたいのは別のところです。
手術で対象にした部分以外にも、身体の不調へ関係している要素が残っている場合があるということです。
画像で椎間板ヘルニアなどの所見があっても、画像所見と症状の関係は一対一ではありません。
だから僕は、既往歴として画像や手術内容を重要視しながらも、「今その人がどのように動いているか」を改めて確認します。
Dr.Kazは「手術した場所」だけを追わない
手術歴のある方では、History(ヒストリー/問診)が特に重要です。
何のための手術だったのか。
手術前には何ができなかったのか。
直後に何が変わったのか。
いつから現在の症状が続いているのか。
しびれなのか、痛みなのか、動きにくさなのか。
こうした時間軸を整理します。
そのうえでRange of motion(ROM/関節可動域)、左右差、動作時のCompensation pattern(代償動作)を見ます。
脊椎であれば、手術部位を無理に動かすのではなく、周囲の関節がどう動いているのかも確認します。
Motion palpation(モーション・パルペーション)で、どの方向が動きにくいのかを見る。
必要な場所だけにAdjustment(アジャストメント)を行い、その後にReassessment(再評価)する。
「手術したのに痛いから、そこを強く動かそう」
という考え方ではありません。
肘や肩の「伸びない・上がらない」は軟部組織側も見る
LIVEでは、手術後に肘が伸び切らないという相談もありました。
ここは脊椎とは少し考え方が変わります。
肩、肘、膝などの四肢関節では、関節そのものだけでなく、関節包、皮膚、皮下組織、筋膜周辺など軟部組織の動きも非常に重要です。
そこで当院ではメディセルも使います。
メディセルは皮膚を吸引しながら動かす機器で、皮膚や皮下組織、筋膜周辺を含む軟部組織の滑走性や左右差を見るために使用します。
LIVEの中でも、肘が伸び切らないようなケースは、僕が現在研究している微小運動を使ったアプローチと、メディセルで確認しているポイントがかなり近いという話をしました。
僕はここに可能性を感じています。
ただし、手術後の組織の状態や期間によって対応は変わりますし、「メディセルをすれば必ず伸びる」という意味ではありません。
まず何が動きを止めている可能性があるのかを確認することが先です。
カイロとメディセルを使い分ける意味
僕の臨床では、カイロプラクティックとメディセルを同じものとして扱いません。
カイロプラクティックは、サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)、関節運動、骨格全体の連動、代償動作を確認するもの。
メディセルは、皮膚・皮下組織・筋膜周辺など、軟部組織側の動きやすさを確認するものです。
手術後の不調では、この違いが特に重要になります。
骨格側の問題が残っているのか。
軟部組織側に動きにくさが残っているのか。
その両方なのか。
まず分けて考える。
そして必要なら組み合わせる。
これが僕が最も重視しているカイロ×メディセルのコンビネーションです。
「手術をした人はもう何もできない」ではない
手術歴があるからといって、その後の身体を確認する意味がなくなるわけではありません。
ただし、手術した部位や方法によって禁忌や注意点は変わります。
だから手術名、部位、時期、医師から説明された制限などは必ず教えてください。
僕はできることと、できないことを分けます。
手術が必要な構造的損傷なら医療機関。
手術後に残った関節運動や軟部組織の動きにくさなど、僕が確認できる領域ならカイロプラクティックやメディセル。
この線引きをした上で身体を見ることが大切です。
FAQ
手術後でもカイロプラクティックを受けられますか?
手術内容、部位、経過期間によります。すべての手術後に同じ施術を行うわけではありません。予約時に手術名や時期を伝えてください。
手術した場所をアジャストするのですか?
必ずしもそうではありません。固定されている部位や手術部位を無理に動かすのではなく、周囲の関節や全身の動きを含めて判断します。
肘や膝が伸びにくい場合、メディセルだけ受ければいいですか?
状態によります。軟部組織側が中心ならメディセルを重視する場合がありますが、周囲の関節運動も関係していれば両方を確認します。
手術を勧められていますが、先にカイロへ行ってもいいですか?
大きな腱断裂、骨折、重い神経障害など構造的な問題で手術を勧められている場合は、カイロで代替しようとせず医療機関の判断を優先してください。迷う場合はセカンドオピニオンも選択肢です。
この記事の結論
「手術をしたのに痛い」
この言葉だけでは、次に何をすべきかは決まりません。
手術で対象にしたもの。
現在残っている症状。
現在の関節運動。
軟部組織の動き。
これらを分けて考える必要があります。
一方で、カイロプラクティックの領域ではないものを無理に施術するつもりもありません。
手術歴があり、現在も痛みや動きにくさが続いている方は、「手術したから仕方ない」で終わらせる前に、今の身体に何が残っているのかを確認する価値はあると僕は考えています。
施術案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
銀座・虎ノ門エリアの初回予約はこちら
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著者プロフィール
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/staff/
一次情報
2026年8月8日 YouTubeライブ「肩こりと枕」
主な該当箇所 36分00秒〜48分47秒
https://www.youtube.com/watch?v=6R-lMIUL8qw&t=2160s
参考資料
Neck pain — InformedHealth.org / NCBI Bookshelf
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK338120/
