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足裏の痛みが治りにくい理由|足裏だけを見ても答えが出ないことがある
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
こんにちは、Dr.Kazです。
足裏が痛いと、「足底筋膜炎かな」「アーチが落ちたのかな」と、どうしても足の裏そのものへ意識が向きます。
もちろん足底筋膜や足部の構造を確認することは大切です。ただ、僕は足裏の痛みほど「痛い場所だけを見ない方がいい」と感じる症状の一つです。
靴、仕事で立っている時間、体重、足部の関節、足首、重心、左右の脚の使い方、さらに骨盤まで関係している可能性があります。
2026年8月10日のLIVEでも、「足裏の痛みは原因が多岐にわたるので、フォーカスを一つへ絞りにくい」と話しました。
足底筋膜炎だけが足裏の痛みではない
足底筋膜炎は、足裏から踵にかけて起こる痛みの代表的な原因の一つです。しかし、足裏が痛いというだけで足底筋膜炎と決めることはできません。
American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS)も、足底筋膜炎では踵付近の足裏痛、朝の最初の数歩での痛みなどが典型的である一方、踵の疲労骨折、神経の絞扼、アキレス腱周辺の問題など、別の状態との区別が必要だとしています。
だから僕が最初に聞きたいのは「足裏のどこが痛いですか」だけではありません。
いつ痛くなったのか。
朝の一歩目なのか。
立ち続けた後なのか。
歩いている途中なのか。
仕事では何時間立っているのか。
どんな靴を履いているのか。
片側だけなのか。
過去に足首、膝、股関節、腰を痛めていないか。
History(ヒストリー/問診)から、足裏へ負担が集中した背景を探します。
実際に「足裏」ではなく全身を見たケース
LIVEでは、僕の息子が足裏を痛めた時の話をしました。
料理の仕事をしているので、日常的に立っている時間が長い。さらに普段履いている靴も硬めのものでした。
ただ、僕が身体を見た時に確認したのは足裏だけではありません。
骨盤の左右差があり、脚長にも差が見られ、立った時の重心のかかり方にも影響している可能性があると考えました。
そこで足だけではなく、通常のカイロプラクティックとして全身を確認し、必要なAdjustment(アジャストメント)を行いました。そのうえで、普段履く靴についても、もう少しクッション性のあるものを提案しました。
その後、足裏の痛みは大きく変化しました。
もちろん、この一例から「骨盤を調整すれば足裏痛が良くなる」と一般化することはできません。
僕が伝えたいのは、
「足裏が痛いから足裏だけを見る」
という発想では説明できないケースが実際にあるということです。
LIVE該当部分
https://www.youtube.com/watch?v=0XzOJZVWj2c&t=265s
足は身体を支える土台だから、重心の影響を受ける
足には多数の骨と関節があり、立つ・歩くという動作のたびに、それぞれが少しずつ動きながら身体を支えています。
足のアーチも単なる「形」ではありません。
歩行では踵から接地し、足の外側を通り、前足部へ荷重が移動し、最後に足趾側から蹴り出すという連続した動きが起こります。
LIVEではこれを、「単純な直線ではなく、かなり複雑な動きをしている」と説明しました。
その途中で、
足首が十分に動かない。
足部の一つの関節が動きにくい。
片側へ体重が偏る。
骨盤や股関節の動きを足が代償する。
こういったことがあれば、同じ場所へ負担が集中する可能性があります。
だから足裏痛では、僕はGait analysis(歩行の確認)やRange of motion、ROM(関節可動域)も重要だと考えます。
サブラクセーションは足にも存在する
サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)というと、背骨や骨盤を想像する人が多いかもしれません。
しかし僕がカイロプラクティックで見るのは背骨だけではありません。
ここでいうサブラクセーションは脱臼ではなく、「本来参加すべき方向へ関節が十分に動かず、周囲が代わりに動いている可能性」を含めて考える臨床上の概念です。
足には小さな関節がたくさんあります。
だから僕は、
足首だけ動かせばいい。
足底筋膜だけ緩めればいい。
骨盤だけ調整すればいい。
とは考えません。
Motion palpation(モーション・パルペーション/関節を動かしながら行う触診)によって、足部を構成する関節を一つずつ確認することがあります。
そして必要なところへアプローチした後、立った時の感覚、歩行、左右差をReassessment(再評価)します。
足底筋膜だけを揉んでも戻るなら、別の要素を見る
足裏が張っているから足裏を揉む。
これは間違いとは限りません。
ただ、揉んだ直後は楽でも、立って歩けばまた同じところが痛くなるのであれば、
「なぜそこへ負担が集まるのか」
を考える必要があります。
僕なら、
足部の関節運動
足首の動き
左右の重心
骨盤と股関節
仕事環境
靴
軟部組織の状態
まで広げて見ます。
AAOSも、足底筋膜炎のリスク因子として活動量の変化、長時間の立位、扁平足やハイアーチ、下腿の柔軟性、体重など複数の要素を挙げています。
一つだけに決める必要はありません。
むしろ、いくつかの条件が重なっていると考える方が、僕の臨床感覚には合っています。
カイロとメディセルを組み合わせる理由
足裏の痛みでは、関節側と軟部組織側を分けて確認します。
カイロプラクティックでは、
関節の動き
足首や足部の連動
骨盤・股関節とのつながり
左右差
重心や代償動作
を確認します。
一方、メディセルでは皮膚を吸引しながら機器を動かし、足底を含む皮膚、皮下組織、筋膜周辺などの軟部組織が周囲と滑らかに動いているかを確認します。
足底筋膜を「剥がす」という意味ではありません。
軟部組織の滑走性や左右差を見ながらケアしていくということです。
関節だけ動いても軟部組織の突っ張りが残る場合がある。
軟部組織だけケアしても関節運動の制限が残る場合がある。
だから僕は、必要であれば両方を組み合わせます。
現在の東京ドクターカイロでも、カイロプラクティックとメディセルケアを二つの施術の柱として案内しています。
病院で確認した方がいい足裏痛もある
足裏の痛みすべてをカイロプラクティックで見るわけではありません。
強い外傷後の痛み、明らかな腫れや発赤、体重をかけられないほどの痛み、感覚低下や筋力低下、糖尿病などに伴う足の異常がある場合には、医療機関での評価を優先してください。
また長期間続く踵痛では、疲労骨折や神経の問題など別の原因を除外するために画像検査が必要になる場合もあります。
FAQ
足裏が痛いなら、まず足底筋膜炎を疑えばいいですか?
代表的な原因ではありますが、それだけではありません。痛む場所、時間帯、歩行、靴、外傷歴などによって見るものが変わります。
インソールを入れればいいですか?
靴やインソールが役立つケースはあります。AAOSもクッション性のある靴やインソールを保存的な選択肢として挙げています。ただし、それだけで身体全体の左右差や関節運動まで分かるわけではありません。
足裏が痛くても骨盤を見るのですか?
必ず骨盤が原因という意味ではありません。ただ、左右の荷重や下肢全体の連動に関係するため、必要なら確認します。
カイロとメディセルのどちらを受けますか?
最初から決めません。関節側と軟部組織側を確認して、カイロ、メディセル、または両方を選びます。
この記事の結論
足裏の痛みは、足裏だけの問題とは限りません。
足底筋膜、足部の関節、足首、靴、重心、仕事環境、骨盤や股関節、軟部組織。
こうした複数の要素をつないで考える必要があります。
「足裏を揉んでいるけれど戻る」
「インソールを変えても変わらない」
「病院では大きな異常がないと言われたけれど痛い」
そんな方ほど、痛い場所だけではなく、身体全体の動きを一度確認する意味があると僕は考えています。
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この記事の一次情報
ライブ開催日
2026年8月10日
動画タイトル
足裏の痛み
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=0XzOJZVWj2c
足裏の痛みが多因子だという説明
https://www.youtube.com/watch?v=0XzOJZVWj2c&t=132s
足裏痛の実例と骨盤・靴について
https://www.youtube.com/watch?v=0XzOJZVWj2c&t=265s
足部のアーチ・歩行について
https://www.youtube.com/watch?v=0XzOJZVWj2c&t=392s
参考資料
Plantar Fasciitis and Bone Spurs
American Academy of Orthopaedic Surgeons
https://orthoinfo.aaos.org/en/diseases–conditions/plantar-fasciitis-and-bone-spurs
Heel Pain
American Academy of Orthopaedic Surgeons
https://www.orthoinfo.org/en/diseases–conditions/heel-pain
Heel Pain – Plantar Fasciitis: Revision 2023
Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy
https://doi.org/10.2519/jospt.2023.0303
