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筋膜リリースとは何をリリースするのか|名前ではなく目的を確認する
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
こんにちは、Dr.Kazです。
「筋膜リリース」という言葉は広く使われていますが、受ける側が最初に確認すべきことがあります。
何を、どのような方法でリリースするのか。
リリースという英語は、解放する、緩めるという意味です。しかし、筋肉を揉む、ストレッチする、ローラーで押す、皮膚を吸引する方法が、すべて同じことをしているわけではありません。
私は、筋膜リリースという名前だけで納得せず、目的と方法を説明できるかを確認することが重要だと考えています。
「筋膜リリースをしています」だけでは説明にならない
筋膜リリースという言葉には、現在さまざまな方法が含まれています。
- 手で圧を加える方法
- ストレッチを行う方法
- ローラーを使用する方法
- 器具でこする方法
- 吸引する方法
- 関節運動と組み合わせる方法
これらは、加える力の方向も、刺激の強さも、対象としている組織も違います。
ライブでは私は、施術を受ける時には「何をリリースしているのですか」と聞いてよいとお話ししました。
筋肉の緊張を減らしたいのか。皮膚や皮下組織を動かしやすくしたいのか。痛みを一時的に軽くしたいのか。関節可動域を確認したいのか。
目的が違えば、方法も変わります。
筋膜リリースの定義について
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg&t=1636s
筋膜は一枚の膜ではない
筋膜は、全身を一枚の薄いラップのように包んでいるだけの組織ではありません。
皮膚の下にある浅い筋膜、筋肉を包む筋膜、筋肉同士や内臓周辺をつなぐ結合組織など、複数の層や構造があります。
筋膜や結合組織には、組織を支えるだけでなく、隣接する組織同士が滑らかに動くことを助け、力を伝える役割があります。
そのため、筋膜周辺の組織が動きにくくなれば、次のような状態に関係する可能性があります。
- 皮膚や軟部組織が突っ張る
- 動かせる範囲が小さく感じる
- 左右で動き方が違う
- 本来動く場所を別の関節が補う
- 同じ場所に負担が集中する
ただし、痛みがあれば必ず筋膜が癒着している、という意味ではありません。
「癒着」という言葉を簡単に使わない
癒着という言葉は、本来、手術後や炎症後などに組織同士が結合する病理学的な状態にも使用されます。
一方、筋膜ケアの現場では、皮膚や皮下組織が硬く感じる、滑りにくい、つまみにくい、左右差があるといった状態も、広い意味で癒着と呼ばれることがあります。
この二つを混同してはいけません。
当院では、病理学的な癒着を診断したと断定するのではなく、皮膚、皮下組織、筋膜周辺などの軟部組織が、周囲と滑らかに動きにくくなっている可能性として確認します。
確認するのは、次の点です。
- 皮膚を動かした時の抵抗
- 左右差
- 過敏性や違和感
- 動作時の突っ張り
- 施術後の変化
触れた感覚だけで決めず、動作や本人の感覚とつなげて判断します。
押す方法と吸う方法は同じではない
私は、上から押す方法をすべて否定しているわけではありません。
筋肉の緊張を緩めたり、リラックスを目的としたりするのであれば、押す方法にも意味があります。
ただし、「皮膚や皮下組織を周囲から浮かせ、滑走しやすさを確認する」という目的なら、上から押す方法と下から吸い上げる方法は同じではありません。
メディセルは、皮膚へ陰圧を加えて吸引しながら動かします。製造元も、皮膚吸引を基本とした機器として説明しています。
私がメディセルを使う理由は、筋肉を強く押し潰すためではありません。
皮膚を吸い上げる方向から刺激し、皮膚、皮下組織、筋膜周辺の動きやすさを確認するためです。
ローラーや圧迫との違いについて
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg&t=4870s
ローラーやストレッチは意味がないのか
ローラーやストレッチに意味がないとは言いません。
目的によっては、筋肉の緊張感を減らしたり、運動前後のセルフケアとして使ったりできます。
ただし、痛みを我慢しながら強く押す必要はありません。皮膚が赤くなるほどこする、強い痛みに耐える、自分で関節を強く鳴らすといった方法は勧めません。
また、セルフケアで変わらない状態を「もっと強くやればよい」と考えるのも危険です。
変わらない理由が、筋肉の硬さではなく、関節の動き、過去の外傷、炎症、神経症状、医療的な疾患などにある可能性もあります。
カイロとメディセルをどう分けるのか
当院では、筋膜だけ、骨格だけに限定しません。
カイロプラクティックでは、サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)、関節の動く方向、可動域、左右差、代償動作を確認します。
メディセルでは、皮膚、皮下組織、筋膜周辺などの軟部組織側を確認します。
私が重視する流れは次のとおりです。
- History(ヒストリー/問診)で経過を確認する
- 痛みや突っ張りが出る動作を確認する
- Motion palpation(モーション・パルペーション)で関節運動を確認する
- 皮膚や軟部組織の動きと左右差を確認する
- カイロ、メディセル、または両方を選ぶ
- 施術後に同じ動作をReassessment(再評価)する
筋肉が硬いなら、なぜ硬くならなければならなかったのか。
皮膚が動きにくいなら、関節の動きはどうなっているのか。
このように、関節側と軟部組織側を分けずに確認するのが、Dr.Kazが最も重視する中核コンビネーションです。
施術の目的を説明する重要性について
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg&t=4933s
施術を受ける前に聞いてほしいこと
筋膜リリースを受ける場合は、次の質問をしてみてください。
- 何を目的として行うのですか
- どの組織を確認しているのですか
- なぜこの方法を選ぶのですか
- 施術前後で何を比較しますか
- 何回程度必要と考えますか
- 痛みが強い場合はどうしますか
- 医療機関を優先すべき状態はありますか
専門用語を並べるだけではなく、一般の方にも分かる言葉で説明できることが重要です。
よくある質問
筋膜リリースは痛いほど効果がありますか
痛みの強さと結果は同じではありません。強い刺激によって身体が防御的に緊張することもあります。当院では、目的や部位に合わせて刺激量を調整し、施術後の動きや本人の感覚を確認します。
自分でフォームローラーを使ってもよいですか
強い痛み、しびれ、腫れ、外傷直後などがなければ、軽いセルフケアとして行える場合があります。ただし、痛みを我慢して強く押すことは避けてください。症状が悪化する場合は中止し、原因確認を優先してください。
カイロとメディセルは必ず両方受けますか
必ず両方行うわけではありません。関節側の問題が中心ならカイロ、軟部組織側が中心ならメディセルを選ぶ場合があります。両方が関係すると判断した場合に、順番を考えて組み合わせます。
この記事の結論
筋膜リリースという名前だけでは、何をしているのか分かりません。
筋肉を緩めるのか、皮膚や皮下組織の動きを確認するのか、関節可動域を変えたいのか。目的によって方法は異なります。
押す方法と吸う方法も同じではありません。
大切なのは、施術者が何を確認し、なぜその方法を選び、施術後に何を再評価するのかを説明できることです。
当院では、サブラクセーションを確認するカイロプラクティックと、軟部組織側を確認するメディセルを使い分け、必要に応じて組み合わせます。
Dr.Kazへの相談・予約
マッサージ、ストレッチ、ローラーなどを続けても同じ場所が張る方、関節と軟部組織のどちらが関係しているか確認したい方はご相談ください。
銀座・虎ノ門エリアと福岡天神で、問診、動作確認、関節運動、皮膚や軟部組織の状態をつなげて確認します。
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https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
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この記事の一次情報
ライブ開催日
2026年8月3日
動画タイトル
顔のむくみ
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg
筋膜リリースの意味について
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg&t=1636s
リンパと身体の動きについて
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg&t=4806s
ローラーと吸引の違いについて
https://www.youtube.com/watch?v=n-iQUmh0pJg&t=4870s
文字起こし資料
参考資料
Diagnostic ultrasound assessment of deep fascia sliding mobility in vivo
PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34391319/
The Human Superficial Fascia: A Narrative Review
PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39941057/
Neuroimmune interactions in fascia and myofiber regeneration
PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41663286/
メディセルで行う筋膜リリースとは
株式会社MJカンパニー
https://www.mj-company.co.jp/medicell/kinmaku/
東京ドクターカイロ 施術案内
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/treatment/
著者情報
著者: 長澤一輝(ながさわ かずてる)
英語表記: Kazuteru Nagasawa, D.C.
学位: Doctor of Chiropractic(D.C.)
米国Cleveland Chiropractic College卒業。1999年にDoctor of Chiropractic専門職学位を取得。米国滞在8年、臨床歴25年以上。
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
