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痛み止めが効かなくなった時|薬を否定する前に身体を見直す理由
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座、虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
こんにちは、Dr.Kazです。
これまで効いていた痛み止めを飲んでも、最近は痛みが残る。このような時に、薬を自己判断で増やしたり、「薬は意味がない」と突然やめたりすることは勧めません。
薬が効かなくなったように感じる時は、薬だけの問題とは限らないからです。痛みの状態が変わった、新しい症状が加わった、日常生活の負担が増えた、薬が対象とする痛みと現在の痛みが一致していないなど、複数の可能性があります。
大切なのは、薬を敵にすることではありません。処方した医師や薬剤師へ相談すると同時に、身体側で何が変わったのかを確認することです。
目次
薬は生活を支える大切な選択肢です
私はカイロプラクティックの立場ですが、薬を一律に否定しません。
痛み止めによって眠れるようになる。仕事や家事ができる。身体を少し動かせる。こうした変化には大きな意味があります。
薬には、炎症に関係する痛みへ使用されるもの、神経障害性疼痛へ使用されるもの、筋肉の緊張へ使用されるものなどがあり、痛みの種類によって選択が異なります。
腰痛に対する薬物療法でも、薬の種類、年齢、胃腸、腎臓、心血管系などのリスクを確認し、必要最小限の量と期間を考えることが推奨されています。薬によっては、突然中止すると離脱症状などの問題が生じるため、自己判断で変更してはいけません。
痛み止めが効かない時に確認したいこと
薬が以前ほど効かないと感じる場合、私はまず次の点を整理します。
- 痛む場所が変わっていないか
- 痛みの質が変わっていないか
- しびれや筋力低下が加わっていないか
- 夜間に強くなるようになっていないか
- 発熱、体重減少、外傷などがないか
- 仕事や運動の負担が増えていないか
- 薬を飲む頻度や種類が変わっていないか
「同じ腰痛」だと思っていても、痛みの出方が変わっていれば、同じ対応を続けてよいとは限りません。
新しい症状や変化した症状がある場合は、がん、感染、外傷、炎症性疾患など、別の原因を考える必要があると腰痛ガイドラインでも示されています。
薬が効くかどうかだけで原因を判断しない
薬が効いたから軽い問題、効かなかったから重い問題とは限りません。
同じ薬でも、痛みの種類や身体の状態によって反応は変わります。薬が効かないことだけで、骨格のズレや筋膜周辺の問題が原因だと断定することもできません。
ただし、私が臨床で見てきた範囲では、関節が動きへ十分に参加せず、筋肉が身体を守るためにGuarding(ガーディング/防御的に緊張する状態)を続けている方がいます。
この場合、痛い筋肉だけを緩めても、筋肉を固めさせている理由が残ります。
サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)という視点から、関節がどの方向へ動きにくくなり、どこがその動きを補っているのかを確認する意味があります。
Dr.Kazが確認するのは薬の名前だけではありません
History(ヒストリー/問診)では、薬の名前だけでなく、飲む前後に痛みがどう変化するかを聞きます。
- どの症状に対して処方された薬か
- いつから飲んでいるか
- 飲む前と後で何が変わるか
- 効く時間が短くなったのか
- 痛む場所や範囲が変わったのか
- 日中と夜間で違いがあるか
- 動作や姿勢によって変化するか
その後、症状に応じて関節可動域、左右差、姿勢、歩行、筋力、感覚などを確認します。
Motion palpation(モーション、パルペーション)では、どの関節がどの方向へ動きにくいのかを確認します。
施術が必要と考えた場合も、薬を中止させることが目的ではありません。
身体側の負担を確認し、行ったことによって動作や本人の感覚が変わったかをReassessment(再評価)します。
カイロとメディセルは薬の代わりではありません
カイロプラクティックやメディセルは、医師の処方や医療上の評価を置き換えるものではありません。
カイロプラクティックでは、関節運動、サブラクセーション、骨格の連動、代償動作を確認します。
メディセルでは、皮膚を吸引しながら機器を動かし、皮膚、皮下組織、筋膜周辺を含む軟部組織の動きやすさや左右差を確認します。
関節側の動きが変わっても、軟部組織側の突っ張りが残る場合があります。反対に、筋膜周辺へアプローチしても、動きにくい関節が残れば、同じ場所へ負担が戻る可能性があります。
そのため私は、必要に応じてカイロとメディセルを組み合わせます。
目的は「薬を飲まなくてもよい」と勝手に判断することではありません。身体の状態を確認し、日常生活を送りやすい方向へ持っていくことです。
薬の変更や中止は、必ず処方した医師や薬剤師へ相談してください。
痛み止めが効かない時に先に受診すべき症状
次のような症状がある場合は、カイロの予約より医療機関への相談を優先してください。
- 急速に強くなる痛み
- 脚や腕へ急に力が入らなくなった
- しびれが急速に広がっている
- 発熱や強い体調不良を伴う
- 大きな外傷の後から痛い
- 排尿や排便に異常がある
- がんの既往があり、新しい痛みが始まった
- 胸痛、呼吸困難、意識の異常がある
これらは、薬の効き方を調整する前に、原因を医療機関で確認する必要がある症状です。
よくある質問
痛み止めが効かなければ量を増やしてよいですか?
自己判断で増やさないでください。薬によって一日の上限量や、併用してはいけない薬があります。処方した医師または薬剤師へ、現在の痛みと薬の反応を伝えてください。
カイロを受ければ薬をやめられますか?
そのような約束はできません。カイロプラクティックでは関節運動や代償動作を確認しますが、薬を中止できるかどうかを判断するのは処方した医師です。
薬が効かない痛みでも相談できますか?
相談できます。ただし、最初に医療的な確認が必要な症状がないかを整理します。必要な場合は、先に医療機関への相談を勧めます。
この記事の結論
痛み止めが効かなくなった時は、薬を悪者にするのでも、自己判断で量を増やすのでもありません。
痛みの場所、質、強さ、しびれや筋力、生活上の負担が変わっていないかを確認する必要があります。
医師や薬剤師へ薬の相談を行ったうえで、関節の動き、代償動作、軟部組織の滑走性など、身体側の要素を別の角度から確認する。
ここが、Dr.Kazへ相談する具体的な意味です。
Dr.Kazへの相談、予約
次のような方はご相談ください。
- 痛み止めを飲んでも身体を動かしにくい方
- 医療機関で緊急性を否定されたが痛みが続いている方
- 痛い場所だけでなく全身の動きを確認してほしい方
- カイロとメディセルの組み合わせが必要か知りたい方
- 何を医療機関へ相談し、何をカイロで確認できるか整理したい方
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この記事の一次情報
ライブ開催日
2026年7月27日
元動画
肩こり×ピラティスで治る?
痛み止めが効かなくなった時の考え方
https://www.youtube.com/watch?v=HIamJVuWBiw&t=1620s
文字起こし資料
参考資料
Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management
National Institute for Health and Care Excellence
https://www.nice.org.uk/guidance/ng59/chapter/recommendations
Chronic pain in over 16s: assessment of all chronic pain and management of chronic primary pain
National Institute for Health and Care Excellence
https://www.nice.org.uk/guidance/ng193/chapter/recommendations
American College of Physicians issues guideline for treating nonradicular low back pain
American College of Physicians
https://www.acponline.org/acp-newsroom/american-college-of-physicians-issues-guideline-for-treating-nonradicular-low-back-pain
著者情報
著者: 長澤一輝(ながさわ かずてる)
英語表記: Kazuteru Nagasawa, D.C.
学位: Doctor of Chiropractic(D.C.)
米国Cleveland Chiropractic College卒業。1999年にDoctor of Chiropractic専門職学位を取得。米国滞在8年、臨床歴25年以上。
活動拠点: 銀座、虎ノ門エリア、福岡天神
