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カイロは骨を鳴らす技術ではない|方向を見極めるD.C.のAdjustment
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
カイロプラクティックは、首や腰を適当にひねって音を鳴らす技術ではありません。私たちD.C.が学ぶのは、どの関節が、どの方向へ、どの程度動きにくいのかを検査し、必要な方向へAdjustmentすることです。
「骨は動かない」と言いながら骨格矯正を掲げる説明にも、私は賛成できません。関節は動くから関節です。ただし、力任せに骨を押せばよいわけではありません。動く構造を知り、触れて方向を見分け、施術後に変化を再確認する。ここにD.C.の専門性があります。
動画で話している箇所
D.C.は骨を動かすための教育と練習をしているという話
41分56秒〜44分08秒
正確に骨を動かすには方向と量の把握が必要だという話
47分26秒〜50分36秒
少ない施術回数で結果を目指すための判断について
51分44秒〜56分12秒
音が鳴ることとAdjustmentは同じではない
関節を動かしたときに音が出ることはあります。しかし、音の大きさは施術の正確さを示しません。狙っていない関節が動いても音は鳴りますし、必要な関節が動いても音が出ない場合があります。
私が見るのは音ではなく、施術前後の関節運動と身体全体の変化です。首の回旋、前屈、腕の挙上、歩行など、相談内容に関係する動作を先に確認します。
米国NCCIHも、カイロプラクターは詳細なHistory、検査、作業上の判断を行い、管理計画を立て、経過を監視すると説明しています。Adjustmentはその流れの一部です。
サブラクセーションを位置だけで決めない
サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)は、骨が大きく外れた医療上の脱臼ではありません。また、写真を見て左右差があるだけで決めるものでもありません。
私が臨床で重視するのは、関節が本来動く方向へ参加しているかです。一つの関節が動かなければ、隣の関節、筋肉、肩甲帯、骨盤などが代わりに動きます。痛い場所とサブラクセーションの場所が一致しないこともあります。
そのためHistory Takingで症状の背景を整理し、Static Palpationで緊張や左右差を確認し、Motion Palpationで関節運動の方向を見ます。ここを飛ばして「首が痛いから首を鳴らす」ことはしません。
Adjustmentは方向、接触点、力を選ぶ
Adjustmentでは、どの骨のどの部分へ接触するか、身体をどの姿勢にするか、どの方向へ力を伝えるか、どれだけの速度と力を使うかを選びます。
強ければ正確なのではありません。関節の構造と運動方向に合わなければ、必要な場所へ力が届かず、別の関節だけが動く可能性があります。私は米国で繰り返し解剖学、神経学、触診、Adjustmentを学び、卒業後も25年以上、毎回の身体で検証してきました。
ここが、短期間の手技講習とDoctor of Chiropractic教育を同じ名称で扱えない理由です。D.C.から技術を習ったことと、D.C.専門職学位を取得したことは同じではありません。
メディセルはAdjustmentの脇役ではない
関節を正確に動かしても、周囲の皮膚、皮下組織、筋膜周辺が滑らかに動かなければ、同じ動作に抵抗が残ることがあります。反対に、軟部組織だけを緩めても、関節が本来の運動へ参加できなければ身体は代償を続けます。
メディセルでは、皮膚を吸引しながら動かし、軟部組織の滑走性、突っ張り、過敏性、左右差を確認します。カイロとメディセルは同じことをする二つの方法ではありません。関節側と軟部組織側を分担する、当院の二本柱です。
施術後はReassessmentとして、最初に確認した動作をもう一度行います。変化がなければ「音は鳴ったから成功」とは考えず、仮説、接触点、優先順位を見直します。
何でもAdjustmentすればよいわけではない
D.C.の専門性には、自分のScope of Practice(対応範囲)を知ることも含まれます。骨折、感染、進行する神経症状、重大な外傷などが疑われる場合は医療機関を優先します。画像検査も否定しません。画像が示す構造情報と、触れて分かる関節運動は役割が違います。
病院や整骨院、マッサージなどで変化が乏しかった方に私が提供できる違いは、他職種を否定することではありません。サブラクセーションを関節運動として確認し、方向を選んだAdjustmentとメディセルを組み合わせ、同じ動作で再評価することです。
まとめ
カイロプラクティックの中心は、音ではなく判断です。History、Static Palpation、Motion Palpationから、どの関節をどの方向へAdjustmentするかを決め、軟部組織側はメディセルで確認し、最後にReassessmentする。この一連の流れが、Dr.Kazの臨床スタイルです。
何を確認されたか分からないまま同じ施術を受けてきた方、首や腰だけでなく全身の代償まで見てほしい方は、銀座・虎ノ門エリアまたは福岡天神でご相談ください。
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この記事の一次情報
本記事は、2026年7月16日に行ったライブ「噛みしめと肩こり」で、長澤一輝D.C.がD.C.教育、骨格の動き、Adjustmentの正確性について語った内容をもとに構成しています。YouTubeでの動画公開日は2026年7月16日です。
参考資料
Chiropractic: In Depth
National Center for Complementary and Integrative Health
https://www.nccih.nih.gov/health/chiropractic-in-depth
Chiropractic Adjustment
Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/tests-procedures/chiropractic-adjustment/about/pac-20393513
著者情報
著者: 長澤一輝(ながさわ かずてる)
英語表記: Kazuteru Nagasawa, D.C.
学位: Doctor of Chiropractic(D.C.)
経歴: 米国Cleveland Chiropractic College卒業、1999年Doctor of Chiropractic学位取得、米国滞在8年、臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
