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カイロプラクティックを絶対視しない|技術を過信せず、人のために使うということ
Dr.Kaz 長澤一輝 / Kazuteru Nagasawa, D.C.
Cleveland Chiropractic College卒
Doctor of Chiropractic(D.C.)学位取得:1999年12月17日
米国滞在8年/臨床歴25年以上
東京・福岡でカイロプラクティックを行っています。
私はカイロプラクティックを25年以上、臨床で使い続けてきました。
当然、自分が長年学び、磨いてきた技術に自信を持っています。
実際に、身体の動きや関節機能が変化していく場面を数多く見てきました。
それでも、私が臨床家として大切にしていることがあります。
自分の技術を絶対視しないことです。
「カイロプラクティックなら何でもできる」
「身体の問題はすべて骨格から起きている」
「自分の技術だけで何とかできる」
私は、そうは考えていません。
どれだけ優れた技術でも、それがすべての人、すべての状態に適しているわけではありません。
技術は、自分の正しさを証明するために使うものではない。
目の前にいる人のために使うものです。
だからこそ、自分の技術に自信を持ちながらも、それを絶対視せず、冷静に判断することが大切だと私は考えています。
アメリカのカイロプラクティック大学で感じた疑問
私はアメリカのCleveland Chiropractic Collegeでカイロプラクティックを学び、D.C.(Doctor of Chiropractic)の学位を取得しました。
大学では解剖学、生理学、神経学などの基礎医学とともに、カイロプラクティックの技術や考え方について学びます。
その中には「Chiropractic Philosophy(カイロプラクティック哲学)」という分野もありました。
私は哲学そのものを否定しているわけではありません。
むしろ25年以上臨床を続けてきた今なら、私自身にもカイロプラクティックに対する考え方、臨床哲学があります。
しかし、学生だった当時、私は一つの疑問を持ちました。
「まだカイロプラクティックをほとんど知らない段階で、一つの考え方を強く教え込んでしまっていいのだろうか?」
という疑問です。
技術を学び、身体について学び、実際に多くの人を見て、うまくいった経験だけではなく、思ったような結果にならなかった経験もする。
その積み重ねの中から、自分なりの臨床哲学は形成されていくものだと私は考えています。
最初から一つの考え方を絶対的なものとしてしまえば、目の前で起きている事実よりも、自分が信じている理論を優先してしまう可能性があります。
私は、それを避けたいのです。
「40℃の熱がある人が来たらどうする?」
大学時代、今でも記憶に残っている授業があります。
先生から、
「目の前に40℃の熱が出ている人がいたら、あなたはどうしますか?」
という趣旨の質問をされました。
私の答えは明確でした。
まず医療機関を受診して、何が起きているのかを確認するべきだ。
40℃という高熱があるなら、感染症をはじめ、さまざまな原因を考える必要があります。
原因も分からない段階で、
「自分はカイロプラクターだから、まずカイロプラクティックをする」
とは私は考えません。
ところが、その授業ではカイロプラクティックによって対応するという考え方が示されました。
私は強く反発しました。
学生だった当時から、私の考えは変わっていません。
カイロプラクターだからといって、すべてをカイロプラクティックで解決しようとする必要はない。
むしろ、何を自分が見るべきで、何を医療機関や別の専門家に任せるべきなのか。
その判断まで含めて専門性だと思っています。
技術に自信を持つことと、絶対視することは違う
これはカイロプラクティックだけの問題ではないと思います。
一つの技術を長く続けていると、その技術によって身体が大きく変化する場面を経験します。
成功体験が増えれば、自分の技術に対する自信も強くなります。
プロとして自分の技術に自信を持つことは必要です。
しかし、
技術に自信を持つことと、その技術を絶対視することは違います。
経験が増えれば増えるほど、
「これも自分なら何とかできるのではないか」
と思いやすくなる。
だからこそ私は、経験を積んだ人間ほど自分の技術に驕らないことが重要だと思っています。
目の前の人に対して、
これは本当に自分が対応すべき状態なのか。
医療機関での検査を先に受けるべきではないか。
カイロプラクティックが役立つ可能性があるのか。
別の専門家に相談すべきなのか。
一度、自分の専門性から離れて冷静に考える。
「私は何ができるか」ではなく、「この人に今、何が必要なのか」を考える。
私はこの順番を大切にしています。
理論に身体を当てはめない
私が臨床で大切にしていることにも、この考え方はつながっています。
患者さんが来たからといって、最初から、
「この人はここがズレている」
「ここをアジャストすればいい」
と決めるわけではありません。
まず話を聞きます。
症状がいつからあるのか。
どのような状況で出るのか。
身体を動かしたときに何が起きるのか。
可動域、左右差、代償運動などを確認します。
さらにStatic Palpation(静的触診)やMotion Palpation(動的触診)を行い、関節が実際にどのような状態にあるのかを確認します。
それらを総合して、**サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)**が臨床的に重要だと判断した場合に、必要なアジャストメントを行います。
そして重要なのは、その後です。
施術したら、もう一度確認します。
動きは変わったのか。
左右差はどうなったのか。
代償運動は減ったのか。
まだ何か残っているのか。
変化がなければ、
「自分の考えが違っていた可能性はないか」
と考え直す必要があります。
自分の理論に患者さんの身体を無理やり当てはめるのではなく、実際に身体で起きていることに合わせて自分の判断を修正していく。
私はその姿勢を大切にしています。
カイロだけ、メディセルだけ、と決めない理由
これは私がカイロプラクティックとメディセルを使い分けている理由にもつながります。
関節機能へのアプローチが必要だと判断すれば、カイロプラクティックを使います。
一方で、筋膜やその他の軟部組織の制限が強く関係していると考えれば、メディセルを組み合わせることがあります。
カイロプラクターだから、何でもカイロでやる。
メディセルを持っているから、何でもメディセルを使う。
そういう考え方ではありません。
技術を先に決めるのではなく、身体を見てから技術を選ぶ。
そして、私の専門領域ではない可能性があれば、医療機関での検査を勧める。
私にとっては、それらすべてが同じ臨床判断の中にあります。
カイロプラクティックは目的ではなく、人のために使う手段
私はカイロプラクティックが好きです。
25年以上続けてきた専門分野ですし、今でも技術を磨き続けています。
だからこそ、カイロプラクティックそのものを目的にはしたくありません。
カイロプラクティックをすることが目的になれば、
「どうやってこの人にカイロをするか」
という発想になります。
しかし本来考えるべきなのは、
「この人に今、何が必要なのか」
ではないでしょうか。
カイロプラクティックが必要なら使う。
軟部組織へのアプローチが必要ならメディセルを使う。
医療機関での検査が必要なら、そちらを優先する。
自分の専門領域を越えているなら、別の専門家につなぐ。
技術は、人のために存在するものです。
人を自分の技術に当てはめるものではありません。
25年以上続けてきた今だからこそ、絶対視しない
経験を積むほど、できることは増えていきます。
同時に、
自分にはできないこともある
ということも分かってきます。
私は、それも経験だと思っています。
自分の技術に自信を持つ。
しかし、過信しない。
自分なりの臨床哲学を持つ。
しかし、それを絶対視しない。
目の前で起きている事実を見て、自分の考えが違っていれば修正する。
そして、必要なら自分以外の専門家の力を借りる。
技術に驕ることなく、冷静に判断し、その技術を人のために使う。
これは学生時代に抱いた疑問から、25年以上臨床を続けてきた現在まで変わっていない、私の基本的な考え方です。
Dr.Kazのカイロプラクティックについて
東京・福岡で施術を行っています。
身体の状態を確認したうえで、カイロプラクティックによる関節へのアプローチと、必要に応じてメディセルによる軟部組織へのアプローチを使い分けています。
「自分の場合はカイロプラクティックで見てもらってよいのか分からない」という方も、まずはご相談ください。
公式サイト
https://www.dr-chiro-nagasawa.com/
施術について
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今回のLIVE
2026年9月18日
「そのめまい! 耳だけではない!」
元動画
https://www.youtube.com/watch?v=0lNPsE7rfr0
カイロプラクティックの哲学について話している部分
https://www.youtube.com/watch?v=0lNPsE7rfr0&t=3547s
40℃の発熱を例に、カイロプラクティックと医療の判断について話している部分
https://www.youtube.com/watch?v=0lNPsE7rfr0&t=3607s
参考資料
World Health Organization
WHO guidelines on basic training and safety in chiropractic
https://iris.who.int/handle/10665/43352
