- 投稿日
- 最終更新日
背中が硬いから揉む、では足りない|筋肉が支えているものを見る
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube:
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
背中が硬いから揉む。腰方形筋が張るから、そこを緩める。それで楽になる方もいます。しかし何度緩めても同じ場所が固まるなら、筋肉がなぜ働き続けているのかを考える必要があります。
私が臨床でよく見るのは、筋肉が悪者なのではなく、動きにくい骨格や崩れた姿勢を支えるために固まっている状態です。防御を原因と取り違えると、緩めても身体はまた守り直します。
動画で話している箇所
背中が硬くなる背景に姿勢と骨格の動きがあるという話
16分11秒〜17分24秒
支える筋肉だけを緩めるといたちごっこになるという話
17分25秒〜18分30秒
腰方形筋が硬くなる理由を先に探す話
26分29秒〜29分42秒
筋肉の硬さには役割がある
頭と胸郭が前へ倒れれば、身体はそのまま崩れないように首や背中の筋肉を働かせます。筋肉が持続的に収縮すれば、触ったときに硬く感じます。これは身体が失敗しているのではなく、今の構造で立ち続けるための対応です。
腰方形筋も同じです。骨盤と腰椎、肋骨周辺の安定に関わるため、骨盤や腰椎が本来の動きへ参加できなければ、片側が働き続けることがあります。硬い筋肉を見つけることは出発点であって、結論ではありません。
私はライブで「全部が骨ではない」とも話しています。筋肉そのものの負担、筋膜周辺の滑走性低下、運動量、仕事姿勢などが中心の場合もあります。重要なのは最初から答えを決めないことです。
Historyを取らずにストレッチは決められない
History Taking(問診)では、硬さがいつから続いているか、朝と夜で変わるか、立位と座位のどちらで強いか、どの運動で悪化するか、過去に何を受けてどう変化したかを確認します。
「背中が硬い」という同じ言葉でも、長時間座った後だけの方、起床時から硬い方、片側だけ痛む方では考える道筋が違います。誰か分からない相手へ、画面越しに一律のストレッチを出さないのはこのためです。
サブラクセーションは動きとして確認する
姿勢の写真だけで、どの関節をAdjustmentするかは決められません。Static Palpation(静的触診)で筋緊張、圧痛、左右差を確認し、Motion Palpation(モーション・パルペーション)で頸椎、胸椎、腰椎、骨盤、肋骨がどの方向へ動きにくいかを細かく見ます。
サブラクセーション(Subluxation/骨格のズレ)とは、見た目の傾きだけではなく、関節が本来の動きへ参加できず、他の関節や筋肉が代償している状態です。
たとえば胸椎が伸展しにくければ、頭を起こすために頸椎や背部筋が余計に働くことがあります。骨盤の一側が動きにくければ、腰方形筋が姿勢を支え続ける場合があります。だから痛い場所だけでなく、上下の関節と全身の連動を見ます。
カイロとメディセルを同じ動作の中で評価する
カイロプラクティックでは、動きの方向を確認した関節に対して、必要な方向と力を選んでAdjustmentします。骨を力任せに「正しい位置へ押し込む」のではありません。関節運動へ参加しやすい状態を目指します。
メディセルでは、皮膚、皮下組織、筋膜周辺の滑走性、突っ張り、左右差を見ます。関節側が動き始めても軟部組織が追従しなければ、動作に抵抗が残ることがあります。反対に、軟部組織を緩めてもサブラクセーションが残れば、筋肉が再び支えに入ることがあります。
そこで施術前に前屈、回旋、腕の挙上などを確認し、カイロとメディセルを必要な順番で行った後、同じ動作をReassessmentします。変化が乏しければ、最初の仮説を修正します。
揉んではいけない、という意味ではない
マッサージには一時的な快適さや筋緊張の軽減という役割があります。私が反対しているのは、硬い筋肉を見つけた瞬間に「ここが原因だ」と決めることです。
外傷後の激しい痛み、発熱、胸痛、息苦しさ、進行するしびれや筋力低下、夜間に増悪する原因不明の痛みがある場合は医療機関を優先してください。
まとめ
何度揉んでも同じ背中や腰が固まるなら、筋肉が何を守り、何を代償しているのかを見る段階です。Dr.KazはHistory、Static Palpation、Motion Palpationを通して、サブラクセーションと軟部組織の抵抗を分け、Adjustmentとメディセル後に同じ動きを再評価します。
銀座・虎ノ門エリアの初回予約はこちら
https://airrsv.net/dr-chiro-tokyonakameguro/calendar
福岡天神の初回予約はこちら
https://airrsv.net/dr-chiro-fukuokahakata/calendar
施術内容を確認する
この記事の一次情報
本記事は、2026年7月16日に行ったライブ「噛みしめと肩こり」で、背中や腰方形筋が硬くなる理由について長澤一輝D.C.が答えた内容をもとに構成しています。YouTubeでの動画公開日は2026年7月16日です。
参考資料
Chiropractic: In Depth
National Center for Complementary and Integrative Health
https://www.nccih.nih.gov/health/chiropractic-in-depth
Cervical Spine: Anatomy and Disorders
Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/articles/22278-cervical-spine
著者情報
著者: 長澤一輝(ながさわ かずてる)
英語表記: Kazuteru Nagasawa, D.C.
学位: Doctor of Chiropractic(D.C.)
経歴: 米国Cleveland Chiropractic College卒業、1999年Doctor of Chiropractic学位取得、米国滞在8年、臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
著者プロフィール:
