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カイロは技術名で選ぶべき?一つの手技に身体を当てはめない理由
執筆: 長澤一輝, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業
Doctor of Chiropractic(D.C.)専門職学位取得
臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
YouTube
https://www.youtube.com/@Nagasawa_Drofchiropractic
カイロプラクティックについて調べると、さまざまな技術名が出てきます。
特定の技術を専門にする先生もいれば、「この方法だけで身体のあらゆる問題を説明できる」と主張する人もいます。
一つの技術を深く学ぶことは重要です。
しかし私は、どの方にも同じ技術を当てはめることには反対です。
身体を技術へ合わせるのではなく、本人の状態を確認し、その結果に合わせて技術を選ぶ。この順番を逆にしてはいけません。
目次
技術名は施術の質を保証しない
施術を選ぶ時、技術名は分かりやすい看板になります。
しかし、同じ技術名を掲げていても、教育、経験、問診、安全確認、手技の精度は人によって異なります。
さらに、技術名を知らない利用者にとっては、何を基準に選べばよいのか分かりません。
本当に確認するべきなのは次の点です。
- 何を確認してから手技を選ぶのか
- その技術を使用する目的は何か
- 使用しない方がよい状態を理解しているか
- 本人の希望や不安を聞くか
- 前回後の変化によって内容を変えるか
- 必要に応じて医療機関への相談を勧めるか
技術名を何個知っているかより、技術を使わない判断ができるかの方が重要です。
一つの方法に染まると身体の見方が狭くなる
ライブでは、在学中に一つの技術だけを強く信じるようになった先輩の話と、学校ごとに技術教育の傾向が異なることについて話しました。
私が学んだ学校では、複数の技術を学び、必要に応じて使い分ける考え方がありました。ライブではこれを「ミキサー」と表現しています。
一つの方法を深く学ぶこと自体は問題ではありません。
問題は、目の前の身体で起きていることを、その方法の理論だけで説明し始めることです。
首が痛ければ、決まった場所へ同じ手技。
腰が痛ければ、同じ順番。
反応が変わらなくても、回数だけ増やす。
これでは身体を見ているのではなく、台本を繰り返しているだけです。
技術より先に必要なのは問診です
私が施術で最も重視しているのは、派手な手技ではありません。
問診です。
不調が始まった時期、きっかけ、強くなる動作、軽くなる条件、医療機関での確認、仕事、睡眠、過去の外傷、前回のケア後の変化。
これらを聞かなければ、どの場所を、どの方向へ、どの程度の力で確認するべきか決められません。
ケアは施術台に寝た時から始まるのではありません。
本人の話を聞き始めた時点から始まっています。
技術が先に決まっていると、問診は技術を正当化するための質問になってしまいます。
状態を知るために聞くのではなく、「この技術を使う理由」を探す問診になる。
私はこの順番に反対です。
検査結果によって方法が変わるのが当然です
身体を確認する時は、静止した姿勢だけでなく、実際の動きを見ます。
- どの動作で症状が出るか
- 左右で動きが違うか
- 一つの関節が動かず、別の場所が補っていないか
- 筋力や感覚に明らかな変化がないか
- 身体へ触れた時に強い圧痛や熱感がないか
- 前回と比較して何が変わったか
関節の動きが主な確認点なら、アジャストメントを検討します。
皮膚や皮下組織の状態も見る必要があれば、別のアプローチを考えます。
運動を行った方がよい場合もあります。
医療機関での検査を優先する場合もあります。
「自分はこの技術の専門家だから、全員へこの技術を行う」ではなく、「この方には何が必要か」を先に考えます。
Clevelandで学ぶ複数技術の考え方
現在のCleveland University-Kansas CityのD.C.課程では、関節の評価、臨床経験に加え、複数のアジャストメント技術、軟部組織の方法、リハビリテーションなどを学ぶ構成が案内されています。
同校のCleveland Comprehensive Techniqueでは、Diversified、Gonstead、drop tableなどの基本的な技術に加え、複数の選択技術を学べることが示されています。
現在の課程内容と私が1999年に卒業した当時の内容を、完全に同一とは言えません。
ただし、複数の技術を学び、一般臨床で使い分けるという考え方は、私の臨床スタイルにもつながっています。
重要なのは「何でも混ぜればよい」ことではありません。
複数の選択肢を持ち、その中から必要なものを絞ることです。
選択肢が多いだけでも不十分です
技術を何種類も使えるから安心、というわけでもありません。
選択肢が多くても、選ぶ基準が曖昧なら意味がありません。
複数の手技を次々に試し、どれが影響したか分からなくなることもあります。
だから私は、前回の内容とその後の経過を確認します。
- 何日間変化が続いたか
- どの動作が変わったか
- 新しい不調が出ていないか
- 前回の刺激が強すぎなかったか
- 同じ方法を続ける理由があるか
- 間隔を延ばせる状態か
臨床は完成した答えを当てる試験ではありません。
仮説を立て、反応を確認し、必要に応じて修正する作業です。
学位や教育背景だけで選べばよいのか
教育背景は重要です。
しかし、学位を持っていることだけで結果が保証されるわけではありません。
Doctor of Chiropractic課程では、基礎科学、臨床科学、患者評価、手技などを学びます。現在のCleveland University-Kansas CityのD.C.課程も、CCE認証を受けた課程として臨床教育や複数技術の教育を案内しています。
それでも、卒業後に学び続けるか、目の前の方の話を聞くか、安全性を確認するかは個人によって変わります。
NCCIHは、カイロプラクターを選ぶ際、教育と免許、対象となる状態を扱った経験、必要と考える回数、費用を確認し、病歴や服薬を伝えるよう勧めています。
肩書き、技術名、口コミの一つだけで決めず、複数の情報を確認してください。
信頼できる施術者へ聞くべき質問
初回予約前または初回時に、次のことを聞いてください。
- 私の身体で何を確認しますか
- なぜこの手技を選ぶのですか
- 別の方法を選ぶ可能性はありますか
- この手技を行わない方がよい状態はありますか
- 次回が必要な場合、その理由は何ですか
- 何が変われば計画を変更しますか
- 料金と所要時間はいくらですか
- 医療機関へ相談するべき症状はありますか
質問に答えず、技術名や専門用語を繰り返すだけなら、納得するまで契約を決める必要はありません。
一つの技術を否定しているわけではない
ここは誤解してほしくありません。
特定の技術を長年研究し、高い精度で使う先生を否定しているのではありません。
深く学んだ技術は大きな武器になります。
ただし、武器を持つことと、いつ使うべきかを判断することは別です。
包丁が優れていても、すべての料理を同じ切り方にはしません。
優れた技術であっても、目の前の方の状態に合わなければ使わない。
その判断を含めて臨床技術です。
よくある質問
Q1. 有名な技術を使う先生なら安心ですか?
技術名だけでは判断できません。問診、安全確認、技術を選ぶ理由、前回後の経過を説明できるかを確認してください。
Q2. ボキボキしない方法もカイロですか?
音の有無だけでカイロプラクティックかどうかは決まりません。状態や希望に合わせて、力や方法を調整することがあります。
Q3. 毎回違う方法を行うのはよくないのですか?
理由なく毎回変更するのは適切ではありません。しかし、身体の反応が変われば、内容を調整する必要があります。変更理由が説明されているかが重要です。
Q4. 自分に合う技術はどう判断しますか?
技術名から先に選ぶより、現在の症状、関節の動き、既往歴、施術後の反応を確認し、その結果から考える方が現実的です。
まとめとご予約
一つの技術を深く学ぶことは大切です。
しかし、すべての身体を一つの理論、一つの手技へ当てはめることには無理があります。
私が重視するのは、技術名ではなく次の順番です。
- 本人の話を聞く
- 身体の状態を確認する
- 必要な方法を選ぶ
- 施術後の経過を見る
- 次の内容や頻度を調整する
自分の身体に合う方法を、決まったメニューではなく現在の状態から考えてほしい方は、銀座・虎ノ門エリアまたは福岡天神でご相談ください。
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この記事の一次情報
本記事は、長澤一輝D.C.がライブで語った、一つの技術だけに身体を当てはめない臨床哲学と、Clevelandで受けた技術教育に関する経験をもとに構成しています。
元動画
顎を引くことは決して良い姿勢ではない
元動画URL
https://www.youtube.com/watch?v=aQ_cIVfiaak&t=14s
参考資料
Doctor of Chiropractic
Cleveland University-Kansas City
https://www.cleveland.edu/academics/college-of-chiropractic/doctor-of-chiropractic/
Accreditation
Cleveland University-Kansas City
https://www.cleveland.edu/about-us/accreditation/
Spinal Manipulation: What You Need To Know
National Center for Complementary and Integrative Health
https://www.nccih.nih.gov/health/spinal-manipulation-what-you-need-to-know
著者情報
著者: 長澤一輝(ながさわ かずてる)
英語表記: Kazuteru Nagasawa, D.C.
学位: Doctor of Chiropractic(D.C.)
米国Cleveland Chiropractic College卒業。1999年にDoctor of Chiropractic専門職学位を取得。米国滞在8年、臨床歴25年以上。
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
