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ヘルニアがあっても腰痛の原因とは限らない?画像と症状を分けて考える
こんにちは、Dr.Kazです。
「MRIでヘルニアと言われたから、この腰痛は全部ヘルニアが原因だ」
そう考えたくなりますが、画像で椎間板の変化が見つかることと、現在の症状がその変化から出ていることは同じではありません。画像は重要です。ただし、症状、神経学的所見、動作とのつながりを合わせて判断する必要があります。
僕が最初に確認するのは画像の名前だけではなく、History(ヒストリー/問診)です。いつ始まり、腰だけなのか脚まで広がるのか、何をすると変化するのかを聞き、実際の動作と画像所見が同じ方向を示しているかを整理します。
この記事の元になったYouTubeライブ
筋膜の癒着って本当にある?揉んでも戻る
主な該当箇所: 1時間01分48秒〜1時間06分03秒/1時間18分46秒〜1時間20分40秒
画像所見があっても症状がない人はいる
症状のない人にも、年齢とともに椎間板の膨隆や変性などが画像で見つかることがあります。だから画像を無視してよいのではなく、「画像にある変化が、今の症状と一致しているか」を確認することが大切です。
脚へ広がる痛みやしびれ、筋力低下、感覚の変化などがある場合は、神経への影響を医療機関で確認する必要があります。一方、腰だけの痛みで、動作や姿勢によって大きく変わる場合は、ヘルニア以外の要素も検討します。
画像と症状をつなぐのがHistory(ヒストリー/問診)
画像を見ただけでは、痛みがいつ始まり、何で悪化し、何で軽くなるかは分かりません。そこで必要になるのがヒストリーです。
腰だけが痛むのか、臀部や脚まで広がるのか。座ると悪化するのか、歩くと変わるのか。咳やくしゃみで響くのか。感覚の左右差や力の入りにくさはあるのか。画像検査を受けた時期と、現在の症状が始まった時期は一致しているのか。
こうした情報を画像所見と照らし合わせ、医療機関での再評価が必要か、身体の動きも合わせて確認できる状態かを考えます。
触診も同じです。Static palpation(静的パルペーション)で硬い場所を見つけたからといって、そこを原因と決めません。硬さが痛みを避けるための防御反応なのか、長く動かなかったことによる軟部組織の動きにくさなのかを、ヒストリーや動作とつなげます。
自分で脚の長さを測って診断しない
ライブでは身体の左右差を見る例として脚の長さにも触れました。ただし、自宅で脚の長さを見ただけで、骨盤のずれや腰痛の原因を診断することはできません。
足の置き方、膝の曲がり、測る位置でも見え方は変わります。左右差が気になる場合は、立位、歩行、股関節、骨盤、腰椎を含めて確認する必要があります。
関節と軟部組織を両輪で確認する
カイロプラクティックでは、腰椎だけでなく骨盤、股関節、胸郭の関節運動と、痛みを避ける代償動作を確認します。
Motion palpation(モーション・パルペーション)では、腰椎を一律に強く動かすのではなく、どの方向で症状が変わるか、隣接する関節が代わりに動いていないかを小さな動きで確認します。画像所見がある場合は、その情報を無視せず、避けるべき方向や医療機関へ戻す条件も考えます。
メディセルでは、腰、臀部、太もも周辺の皮膚、皮下組織、筋膜周辺を含む軟部組織の滑りや過敏性を確認します。動かない期間が続くと、関節だけでなく周囲の軟部組織にも動きにくさが残る場合があるからです。
画像を否定せず、画像だけにも限定しない。関節側と軟部組織側を確認し、働きかけた後はReassessment(再評価)として、最初と同じ動作、Range of motion、ROM(関節可動域)、脚の症状の広がり方を確認します。
ストレッチは確認してから選ぶ
ストレッチそのものが悪いわけではありません。しかし、どの筋肉を、何の目的で伸ばすかが分からないまま、痛い方向へ強く伸ばすことは勧めません。
柔軟性と筋力は両方大切です。現在の痛みや神経症状を確認し、必要な運動を選びましょう。
医療機関を優先する症状
排尿・排便の異常、会陰部の感覚低下、進行する脚の筋力低下、歩きにくさ、強い外傷や発熱を伴う場合は、カイロの予約より先に医療機関へ相談してください。
まとめ
ヘルニアという画像所見があっても、現在の腰痛がすべてそこから出ているとは限りません。画像、症状、神経学的所見、動作をつなげて考えることが重要です。
医療機関で確認した上で、関節と軟部組織の動きも両面から見てほしい方はご相談ください。
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参考資料
Brinjikji W, et al. Systematic Literature Review of Imaging Features of Spinal Degeneration in Asymptomatic Populations. AJNR. 2015
NICE Guideline NG59: Low back pain and sciatica in over 16s
George SZ, et al. Interventions for the Management of Acute and Chronic Low Back Pain. 2021
株式会社MJカンパニー「メディセルで行う筋膜リリースとは」2026年7月16日確認
著者情報
著者: 長澤一輝(ながさわ かずてる)
英語表記: Kazuteru Nagasawa, D.C.
米国Cleveland Chiropractic College卒業、1999年Doctor of Chiropractic学位取得、米国滞在8年、臨床歴25年以上
活動拠点: 銀座・虎ノ門エリア、福岡天神
